【数学B】公式集一覧~数列・確率分布と統計的な推測・数学と社会生活~

ここでは、【数学B】でよく利用する公式を一覧にしてまとめています。

目次

【数学B】数列~公式集一覧~

【数列】1.等差数列
等差数列の一般項

初項\(a\), 公差\(d\) の等差数列\(\{a_n\}\)の一般項は

\(\color{red}{a_n = a + (n – 1)d}\)

等差数列の性質

数列\(a, b, c\)が等差数列 ⇔ \(\color{red}{2b = a + c}\)

初項から第\(n\)項までの和\(S_n\)

① 初項\(a\), 第\(n\)項が\(l\)の等差数列の和\(S_n\)

\(\color{red}{S_n = \displaystyle\frac{1}{2}n(a + l)}\)

② 初項\(a\), 公差\(d\)の等差数列の和\(S_n\)

\(\color{red}{S_n = \displaystyle\frac{1}{2}n\{2a + (n – 1)d\}}\)

※①式において、\(l = a + (n – 1)d\)とすることで導くことができる

③ 自然数\(1, 2, 3, \cdots, n\)の和\(S_n\)

\(\color{red}{S_n = \displaystyle\frac{1}{2}n(n + 1)}\)

※①式において、\(a=1, l = n\) とすることで導くことができる

【数列】2.等比数列
等比数列の一般項

初項\(a\), 公比\(r\) の等比数列\(\{a_n\}\)の一般項は

\(\color{red}{a_n = a r^{n – 1}}\)

等比数列の性質

数列\(a, b, c\)が等差数列 ⇔ \(\color{red}{b^2 = ac}\)

※ただし、(\(a \neq 0, b \neq 0, c \neq 0\))

初項から第\(n\)項までの和\(S_n\)

初項\(a\), 公比\(r\) の等比数列\(\{a_n\}\)の和\(S_n\)は

① \( r \neq 1\) のとき

\(\color{red}{S_n = \displaystyle\frac{a(1 – r^n}{1 – r} = \displaystyle\frac{a(r^n – 1}{r – 1}}\)

② \(r = 1\) のとき

\(\color{red}{S_n = na}\)

【数列】3.いろいろな数列の和
和の記号\(\sum\)

\(\displaystyle\sum_{k = 1}^n a_k =a_1 + a_2 + a_3 + \cdots\cdots + a_n\)

数列の和の公式

① \(\color{red}{\displaystyle\sum_{k = 1}^n c = nc}\)
※特に, \(\displaystyle\sum_{k = 1}^n 1 = n\)

② \(\color{red}{\displaystyle\sum_{k = 1}^n k = \displaystyle\frac{1}{2} n (n + 1)}\)

③ \(\color{red}{\displaystyle\sum_{k = 1}^n k^2 = \displaystyle\frac{1}{6} n (n + 1)(2n + 1)}\)

④ \(\color{red}{\displaystyle\sum_{k = 1}^n k^3 = \left\{\displaystyle\frac{1}{2} n (n + 1) \right\}^2} \)

\(\sum\) の性質

① \(\displaystyle\sum_{k = 1}^n (a_k + b_k) = \displaystyle\sum_{k = 1}^n a_k + \displaystyle\sum_{k = 1}^n b_k\)

② \(\displaystyle\sum_{k = 1}^n pa_k = p\displaystyle\sum_{k = 1}^n a_k\)
※\(p\) は \(k\) に無関係な定数

【数列】4.階差数列
階差数列

数列 \(\{a_n\}\) の階差数列を \(\{b_n\}\) とすると
※\(b_n = a_{n + 1} – a_n (n = 1, 2, 3, \cdots\cdots)\)

\(n \geq 2\) のとき \(\color{red}{a_n = a_1 + \displaystyle\sum_{k = 1}^{n – 1} b_k}\)

【数列】5.数列の和と一般項
数列の和と一般項

数列 \(\{a_n\}\) の初項から第 \(n\) 項までの和を \(S_n\) とすると

① \(a_1 = S_1\)

② \(n \geq 2\) のとき \(\color{red}{a_n = S_n – S_{n – 1}}\)

【数列】6.複雑なΣの計算のテクニック

以下のテクニックを利用することで、複雑な\(\sum\) の値を計算することができる。

部分分数分解

\(\displaystyle\sum_{k = 1}^n pa_k = p\displaystyle\sum_{k = 1}^n a_k\)

(等差数列)×(等比数列)の数列の和

(等差数列)×(等比数列)の数列の和\(S\) は、\(S – rS\) を計算することで求めることができる。
※\(r\) は等比数列の公比

【数列】7.漸化式と一般項
隣接2項間漸化式

① \(a_{n + 1} = a_n + d\)  ⇒ 公差 \(\color{red}{d}\) の等差数列

② \(a_{n + 1} = ra_n\) ⇒ 公比 \(\color{red}{r}\) の等比数列

③ \(a_{n + 1} = a_n + (n の式) \)  ⇒ 階差数列を利用

④ \(a_{n + 1} = pa_n + q\)
⇒ \(\color{red}{a_{n+1} – c = p(a_n – c)}\)に変形

⑤ \(a_{n + 1} = ca_n + c^{n+2}\) (\(c\)は定数)
⇒ 両辺を\(\color{red}{c^{n + 1}}\) で割る

⑥ \(a_{n + 1} = \displaystyle\frac{a_n}{pa_n + q}\) (\(p, q\)は定数)
⇒ 両辺の逆数をとる

隣接3項間漸化式

\(pa_{n+2} + qa_{n+1} +ra_n = 0\)
 \(\color{red}{a_{n+2} – \alpha a_{n+1} = \beta (a_{n+1} – \alpha a_n )}\) に変形

確率と漸化式

\(n\) 回目と \((n + 1)\) 回目に注目して,確率\(p_n\) と\(p_{n+1}\) の漸化式を作る。

【数列】8.数学的帰納法
数学的帰納法

自然数 \(n\) に関する事柄 \(P\) が,すべての自然数\(n\) について成り立つことを証明するには, 次の [1] と [2]を示せばよい。

[1] \(n = 1\) のとき \(P\) が成り立つ。

[2] \(n = k\) のとき \(P\) が成り立つと仮定すると,\(n = k + 1\) のときにも\(P\) が成り立つ。

【数学B】確率分布と統計的な推測~公式集一覧~

【確率分布と統計的な推測】1.確率変数と確率分布
確率変数

確率変数…ある試行の結果によってその値が定まり,各値に対してその値をとる確率が定まるような変数のことを確率変数という。

確率分布

確率分布…確率変数 \(X\) のとりうる値 \(x_k \) \((k = 1, 2, \cdots\cdots, n)\) と \(X = x_k\) をとる確率\(p_k\) との対応関係を \(X\) の確率分布という。

\(p_1 \geq 0, p_2 \geq 0, \cdots\cdots, p_n \geq 0\)

\(p_1 + p_2 + \cdots\cdots + p_n = 1\) ←確率の総和は1

【確率分布と統計的な推測】2.確率変数の期待値・分散・標準偏差

確率変数 \(X\) が下の表に示された分布に従うとする。

期待値・分散・標準偏差

期待値(平均)\(E(X) = x_1 p_1 + x_2 p_2 + \cdots\cdots + x_n p_n = \displaystyle \sum_{k=1}^n x_k p_k\)

分散 \(\color{red}{V(x) = E((X – m)^2)}\) ←偏差の2乗の期待値

\(= (x_1 – m)^2 p_1 + (x_2 – m)^2 p_2 + \cdots\cdots + (x_n – m)^2 p_n\)

\(= \color{red}{\displaystyle \sum_{k=1}^n (x_k – m)^2 p_k}\)

標準偏差 \(\color{red}{\sigma (X) = \sqrt{V(X)}}\)

※\(E(X) = m\) とするとき, \((X – m)\) を\(X\) の偏差という。

分散・標準偏差の公式

分散 \(\color{red}{V(X) = E(X^2) – {E(X)}^2}\)  ←\( \color{blue}{(X^2 の期待値) – (X の期待値)^2}\)

標準偏差 \(\color{red}{\sigma (X) = \sqrt{E(X^2) – {E(X)}^2}}\)

【確率分布と統計的な推測】3.確率変数の変換
確率変数の変換

\(X\) は確率変数,\(a\), \(b\) は定数とする。

\(Y = aX + b \) のとき

① 期待値 \(\color{red}{E(Y) = aE(X) +b}\)

② 分散 \(\color{red}{V(Y) = a^2 V(X)}\)

③ 標準偏差 \(\color{red}{\sigma (Y) = | a |\sigma(X)}\)

【確率分布と統計的な推測】4.確率変数の和と積

\(X, Y\) は確率変数 \(a\), \(b\) は定数とする。

同時分布と独立

・\(P(X = x_i, Y = y_j) = p_ij\) とするとき,\((x_i, y_j)\) と\(p_{ij}\) の対応を\(X\) と \(Y\) の同時分布という。

・\(P(X = x_i, Y = y_j) = P(X = x_i) \cdot P(Y = y_j)\) が成り立つとき\(\color{red}{X と Y は互いに独立である}\)という。

確率変数の和と積①

① \(\color{red}{E(X + Y) = E(X) + E(Y)}\)

② \(\color{red}{E(aX + bY) = aE(X) + bE(Y)}\)

※これらはいつでも成り立つ

確率変数の和と積②

\(X, Y\) が互いに独立であるとき

① \(\color{red}{E(XY) = E(X)E(Y)}\)

② \(\color{red}{V(X + Y) = V(X) + V(Y)}\)

③ \(\color{red}{V(aX + bY) = a^2V(X) + b^2V(Y)}\)

【確率分布と統計的な推測】5.二項分布
二項分布

1回の試行で事象\(A\) の起こる確率が \(p\) であるとき,この試行を\(n\) 回行う反復試行において,\(A\) の起こる回数を\(X\) とすると,\(X = r \) になる確率は

\(\color{red}{P(X = r) = {}_n C_r p^r q^{n – r} }\)\((r = 0, 1, 2, \cdots\cdots, n), 0 < p < 1, q = 1 – p\)

このとき,\( \color{red}{確率変数X は二項分布 B(n, p) に従う}\) という。

二項分布の期待値・分散・標準偏差

確率変数X は二項分布 \(B(n, p)\) に従うとき

期待値 \(\color{red}{E(X) = np}\)

分散 \(\color{red}{V(X) = npq}\)

標準偏差 \(\color{red}{\sigma(X) = \sqrt{npq}}\)\((q = 1 – p)\)

【確率分布と統計的な推測】6.正規分布
離散型確率変数と連続型確率変数

離散型確率変数…飛び飛びの値をとる確率変数

連続型確率変数…実数のある区間の連続的な値をとる確率変数

連続型確率変数の性質

\(X\) は連続型確率変数とするとき,以下の性質を満たす関数\(f(x)\) が1つ対応する。

① \(\color{red}{常に f(x) \geq 0}\)

② \(\color{red}{P(a \leq X \leq b) = \int_a^b f(x) dx}\)

③ \(X\) のとる値の範囲が \(\alpha \leq X \leq \beta\) のとき

\(\color{red}{\int_{\alpha}^{\beta} f(x) dx = 1}\)  ←(全面積)=1

この関数 \(f(x)\) を\(X\) の確率密度関数, \(y = f(x)\) のグラフを\(X\) の分布曲線という。

連続型確率変数の期待値・分散・標準偏差

\(\alpha \geq X \geq \beta\) の範囲にある連続型確率変数\(X\) の確率密度関数\(f(x)\) であるとき,

① 期待値 \(\color{red}{E(X) = m = \int_{\alpha}^{\beta} xf(x) dx}\))

② 分散 \(\color{red}{V(X) = \int_{\alpha}^{\beta} (x – m)^2 f(x) dx = E(X^2) – {E(X)}^2 }\)

③ 標準偏差 \(\color{red}{\sigma(X) = \sqrt{V(X)}}\)

連続型確率変数の変換

連続型確率変数 \(X\) と定数\(a, b\) に対して、連続型確率変数\(Y\) を \(Y = aX +b\) とする。

① 期待値 \(\color{red}{E(Y) = E(aX + b) = aE(X) + b}\)

② 分散 \(\color{red}{V(Y) = V(aX + b) = a^2V(X)}\)

正規分布の標準化

連続型確率変数\(X\) の確率密度関数\(f(x)\) が\(f(x) = \displaystyle\frac{1}{\sqrt{2\pi}\sigma}e^{-\frac{(x – m)^2}{2\sigma^2} であるとき,

\(X\) は正規分布 \(N(m, \sigma^2)\) に従うといい, \(y = f(x)\) のグラフを正規分布曲線という。

このとき,以下が成り立つ。

① 期待値 \(\color{red}{E(X) = m}\), 標準偏差 \(\color{red}{\sigma(X) = \sigma}\)

② 正規分布曲線 \(y = f(x)\) は次の性質をもつ
[1] 曲線は,直線 \(x = m\) に関して対称であり,\(f(x)\) の値は\(x = m\) で最大となる。
[2] \(x\) 軸を漸近線とする。
[3] 標準偏差\(\sigma\) が大きくなると,曲線の山が低くなって横に広がり,\(\sigma\) が小さくなると, 曲線の山は高くなって対称軸 \(x = m\) の周りに集まる。

標準正規分布\(N(0, 1)\)

\(X\) は正規分布 \(N(m, \sigma^2)\) に従う確率変数とする。

\(\color{red}{Z = \displaystyle\frac{X – m}{\sigma}}\) とおくと,確率変数 \(Z\) は標準正規分布 \(N(0, 1)\) に従う。

二項分布の正規分布による近似

二項分布\(B(n, p)\) に従う確率変数\(X\) は,\(n\) が大きいとき,近似的に正規分布\(N(np, npq)\)に従う。
(\(q = 1 – p\))

つまり、\(\color{red}{Z = \displaystyle\frac{X – np}{\sqrt{npq}}}\) とおくと\(Z\) は近似的に\(N(0, 1)\)に従う。

【確率分布と統計的な推測】7.標本平均とその分布

母平均\(m\), 母標準偏差\(\sigma\) の母集団から大きさ\(n\) の無作為標本を抽出するときの標本平均を\(\overline{X}\) とする。

標本平均の期待値と標準偏差

期待値\(\color{red}{E(\overline{X}) = m}\)

標準偏差\(\color{red}{\sigma(\overline{X}) = \displaystyle\frac{\sigma}{\sqrt{n}}}\)

標本平均の分布

\(n\) が大きいとき,標本平均\(\overline{X}\) は近似的に正規分布\(N(m, \displaystyle\frac{\sigma^2}{n})\) に従う。

大数の法則

標本平均\(\overline{X}\) は,\(n\) が大きくなるに従って,母平均\(m\) に近づく。

【確率分布と統計的な推測】8.推定

母標準偏差を\(\sigma\)とする

母平均の推定

標本の大きさ\(n\) が大きいとき,母平均\(m\) に対する信頼度95%の信頼区間は

\(\color{red}{\left[\overline{X} – 1.96 \cdot \displaystyle\frac{\sigma}{\sqrt{n}}, \overline{X} + 1.96\cdot \displaystyle\frac{\sigma}{\sqrt{n}} \right]} \)

(\(\overline{X}\) は標本平均)

母比率の推定

標本の大きさ\(n\) が大きいとき,母比率 \(p\) に対する信頼度95%の信頼区間は

\(\color{red}{\left[R – 1.96 \sqrt{\displaystyle\frac{R(1 – R)}{n}}, R + 1.96 \sqrt{\displaystyle\frac{R(1 – R)}{n}}\right] }\)

(\(R\) は標本比率)

【確率分布と統計的な推測】9.仮説検定
仮説検定の手順

① 事象が起こった状況や原因を推測し,仮説を立てる。

② 有意水準\(\alpha\) を定め, 仮説に基づいて棄却域を求める。

③ 標本から得られた確率変数の値が棄却域に入れば仮説を棄却し, 棄却域に入らなければ仮説を棄却しない。

【数学B】数学と社会生活~公式集一覧~

【数学と社会生活】1.数学を活用した問題解決
数学を活用した考察の方法

日常生活における問題や社会問題について数学的に考察する場合,次の手順で進める。

① 仮定を立てて問題を理想化・単純化する。

② 数学を活用して解を求める。

③ 実際の問題と照らし合わせて結果を吟味する。

【数学と社会生活】2.社会の中にある数学
選挙における議席配分①(最大剰余方式)

ある都市にはA,B,C,Dの4つの選挙区があり,議席総数は15である。また,それぞれの選挙区の人口は次の通りであるとする。

選挙区ABCD合計
人口(人)35000500002300032000140000

このとき,各選挙区の議席数が,その選挙区の人口にできるだけ比例しているように各選挙区に議席を割り振りたい。

このとき,以下の最大剰余方式を利用することで議席数を決定することができる。

① 総人口を議席総数で割った値を\(d\) とする。

② 各選挙区の人口を \(d\) で割った値の議席を各選挙区に割り振る。
ただし,求めた値が整数でない場合は,小数点以下を切り捨てて整数にする

③ ②が終わった段階で議席が余る場合,②で切り捨てた値の大きい順に1議席ずつ,議席が余らなくなるまで割り振る。

選挙における議席配分②(アダムズ方式)

ある都市にはA,B,C,Dの4つの選挙区があり,議席総数は15である。また,それぞれの選挙区の人口は次の通りであるとする。

選挙区ABCD合計
人口(人)35000500002300032000140000

このとき,各選挙区の議席数が,その選挙区の人口にできるだけ比例しているように各選挙区に議席を割り振りたい。

このとき,以下のアダムズ方式を利用することで議席数を決定することができる。

① 総人口を議席総数で割った値を\(d\) とする。

② 各選挙区の人口を \(d\) で割った値の議席を各選挙区に割り振る。
ただし,求めた値が整数でない場合は,小数点以下を切り上げて整数にする

③ ②で割り振った議席数の合計が議席総数と異なる場合,\(d\) と異なる値\(d’\) を選び\(d\)を\(d’\) におき換えて,再度手順②と同様の方法で議席を割り振る。

④ 割り振った議席数の合計と議席総数が一致するまで手順③を繰り返す。

偏差値

変量\(x\) についてのデータが,\(n\) 個の値,\(x_1, x_2, \cdots\cdots, x_n\) であるとし,\(x\) のデータの平均値を\(\overline{x}\) ,分散を\({s_x}^2\), 標準偏差を\(s_x\) とする。

このとき,新しい変量\(z = \displaystyle\frac{x – \overline{x}}{s_x}\)とするとき,一般的には以下で偏差値を定める。

(偏差値)=\(10z + 50 =. 10 \times \displaystyle\frac{x – \overline{x}}{s_x} + 50\)

トリム(調整)平均

データを値の大きさの順に並べたときに,データの両側から同じ個数だけ除外した後でとる平均のことをトリム平均または調整平均という。また,データの両側から個数の\(x)\ %ずつ除外した後でとる平均を\(\color{red}{x}\) %トリム平均という。

トリム平均を考えることで,スポーツの採点競技などでの,極端な点数をつける審判の影響を小さくすることができる。

【数学と社会生活】3.時系列データと移動平均
移動平均

年ごとのある月の平均気温や,月ごとの飲食店の売上額など,1つの項目について,時間に沿って集めたデータを時系列データという。

時系列データに対して,各時点のデータを,その時点を含む過去の\(n\) 個のデータの平均値でおき換えたものを移動平均という。

移動平均を考えることで長期的な変化の傾向を捉えることができる。

【数学と社会生活】4.回帰分析
回帰直線

2つの変量\(x, y\) の関係が最もよく当てはまると考えられる1次関数(近似式)が \(y =ax +b\) であるとき,直線\(y =ax +b\) を回帰直線という。

回帰直線を求めることで,商品の需要数の予測などをすることが可能となる。

最小2乗法

2つの変量\(x, y\) のデータが,次のように与えられており,\(x\) と\(y\) に直線的な相関関係があるとする。

\((x_1, y_1), (x_2, y_2), (x_3, y_3),(x_4, y_4),(x_5, y_5)\)

このとき,

\(\{y_1 – (ax_1 + b)\}^2 + \{y_2 – (ax_2 + b)\}^2 + \cdots\cdots + \{y_5 – (ax_5 + b)\}^2\)

の値が最小となるような \(a\) , \(b\) を定めることで,回帰直線\(y = ax +b\) の1つを求めることができる。

このような回帰直線の求め方を,最小2乗法 という。

対数目盛

太陽系の惑星の公転周期と軌道長半径の関係といった範囲が大きいデータは,散布図の目盛を次のように定めることで分析しやすくなる場合がある。

① \(10^n\) (\(n\) は整数)の目盛を等間隔にとる。この間隔の長さを1とする。

② \(10^n\)と\(10^{n+1}\) の間に,\(m \times 10^n\)(\(m = 2, 3, \cdots, 9\))の目盛を,\(10^n\)と\(m \times 10^n\) の間隔が\(\log_{10}m\) になるようにとる。

このように定めた目盛を対数目盛という。

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