新学習指導要領導入!3つの柱を3分で解説!

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ラッシーくん

令和4年から高校で新学習指導要領が導入されるって聞きました!
よく聞く「3つの柱」とか「学力の三要素」って何ですか??

このような疑問に答えます。

この記事を読むと
  1. 新学習指導要領の目的である「3つの柱」や「学力の三要素」がわかる
  2. 「3つの柱」をふまえた上で、教師側と生徒側がそれぞれどうあるべきかイメージできる

「3つの柱」とは、新学習指導要領で「何ができるようになるか」をまとめたものになります。


これから高校生になる人も教師として教えている人も、「何がねらいなのか」という考え方を知ることはとても大事ですね。

この記事では、「3つの柱」「学びの三要素」の解説に加え、私のこれまでの経験をふまえた上で「教師側の指導と生徒側の心構えはどうあるべきか」の考えをまとめています。


新学習指導要領について、何もわからない状態でもすぐに理解できるようまとめていますので安心して下さいね。

目次

新学習指導要領導入!3つの柱を3分で解説!

「3つの柱」の前にまずは、これまでの教育改革の経緯をみていきましょう。


導入の背景を知っておくとより理解しやすくなります。

「ゆとり教育」と「詰め込み教育」

「ゆとり教育」という言葉を聞いたことがありますか?「ゆとり教育」とはこれ以前の「詰め込み教育(1980年代)」に対する考え方で出てきた教育方針です。

「詰め込み教育」では、「知識」の暗記重視の指導スタイルであった為、授業は早く、量も多い教育形態でした。このため、試験が終われば学生はすぐに忘れ、結局何も身に付いていなかったり、落ちこぼれが出たりすることが懸念されていたのです。

これをふまえて「なぜそうなるのか」という「思考力」を鍛える教育手法を重視した方針が「ゆとり教育」です。例えば、完全週5日制にすることで学習内容や授業時間の量を減らしたりしました。

シンスケ

このときは教科書が薄くなったり、「調べ学習」なども重視されました。

ラッシーくん

「知識」よりも「思考力」を重視しようとしたんですね。

しかし、「ゆとり教育」はその後、国際学力テストの結果で順位を落としたことから「学力が低下した」と批判を受けることになりました。この「詰め込み教育派」と「ゆとり教育派」の対立する考え方を一つにまとめることを目的に示されたのが「学力の三要素」になります。

参考元:ゆとり教育 – Wikipedia

学校教育法改正による「学力の三要素」

「学力の三要素」とは生徒が「これからの社会を生き抜くために育てるべき3つの力」のことを指します。2007年6月学校教育法改正による学力の三要素は以下で定められています。

2007年6月学校教育法による学力の三要素

1.基礎的な知識・技能
2.思考力・判断力・表現力等の能力
3.主体的に学習に取り組む態度

ラッシーくん

なるほど!「詰め込み教育」で重視した「知識」と「ゆとり教育」で重視した「思考力」は両方とも重要なものと捉えたんですね!
「主体的に学習に取り組む態度」も加わったことでより理想的になりましたね!

シンスケ

このような3つの力のことをまとめて「生きる力」と規定したんですよ。

参考元:(用語集)学力の三要素 (smizok.net)

高大接続改革答申による高校教育の学力の三要素

しかしながら、この学校教育法で定められた「学力の三要素」は実は小学校教育に向けたもので、高校教育においてはまだ足りないとされていました。

そこで2014年12月の高大接続改革答申の中で高校教育の「学力の三要素」を以下で定めています。

2014年12月高大接続改革答申による高校教育の学力の三要素

1. 基礎的な知識・技能
2. 思考力・判断力・表現力等の能力
3. 主体性・多様性・協働性

ラッシーくん

「主体的に学習に取り組む態度」が「主体性・多様性・協調性」になりましたね。

シンスケ

高校教育はより教育の出口に近いですよね?
だから主体的に学ぶだけじゃなく、多様な意見・価値観を統合し、協働して問題解決に取り組む力、すなわち「今までの学びを人生や社会に生かそうとする」資質を育てることが大事だと考えたんだね。

高校での「学びの三要素」とは基本的にはこの高大接続改革答申の「学びの三要素」と思っていいですよ。

参考元:(用語集)学力の三要素 (smizok.net)

新学習指導要領における資質・能力の3つの柱

このような「学びの三要素」をふまえた上で、新学習指導要領で「何ができるようになるか」という「新しい時代で必要な力」をまとめたものが「資質・能力の3つの柱」になります。

新学習指導要領における資質・能力の3つの柱
  1. 生きて働く「知識・技能」の習得
  2. 思考力・判断力・表現力等
  3. 学びに向かう力・人間性等

私自身としては、上記の「3つの柱」を次のように解釈し、実践しています。

生きて働く「知識・技能」の習得

「知識・技能」の習得に関しては

「知っていること(知識)とできること(技能)を自身の経験を通して学ぶ」
※「教える」のではなく「経験」させる

ことを大切にしています。
例えば、数学の授業において、

1.演習プリントを5分で解き
2.自分で解答(間違い)を見直す時間を2分とり、
3.ICTを用いたスライドで要点のみ解説を聞き、
4.もう一度類題を解く

というICTフル活用の高密度反復演習型の作業を繰り返し取り入れることは一つの実践例として有用だと感じています。

ここで、重要なのは「2. 自分で解答(間違い)を見直す時間を2分とる」「4.もう一度類題を解く」です。

「教えられた」ことから学ぶのではなく「自分で間違いに気づいたという経験」から知識を得て、「類題でできるようになった経験」から技能がついたことを実感することが重要だと捉えています。

また、教師側の指導としては「すべてを教えない」すなわち、「ヒントや考え方を言い続ける」ことが現時点でも最適解の一つになり得ると考えます。

思考力・判断力・表現力等

「思考力・判断力・表現力等」に関しては、経験によって習得した「知識・技能」を

「組み合わせ、取捨選択しながら、活用できること」
※最終的に「活用したかどうか」

と捉えています。
先ほどの演習方法を行った際、一人の生徒が「これって家庭学習でも同じですか??」という質問をしました。
すなわち、先ほど行った

1.演習プリントを5分で解き
2.自分で解答(間違い)を見直す時間を2分とり、
3.ICTを用いたスライドで要点のみ解説を聞き、
4.もう一度類題を解く

という作業から、次のような家庭学習につながることに気付き、実践したのです。

このように、授業において経験して得た「知識・技能」を、

1.組み合わせて(思考力)、
2.利用できるか判断し(判断力)、
3.実際に家庭学習に取り入れる(表現力)

この過程を経ることで「思考力・判断力・表現力」は育成できているのではないかというのが私自身の考察です。

学びに向かう力・人間性等

最後の「学びに向かう力・人間性等」に関しては

「自らの意思で、他者(周囲)に影響を与える力」

を育成しています。
例えば、先ほどの例でいえば

1.実際に自らの意思で家庭学習したことを(学びに向かう力)
2.他の生徒へも伝え、周囲にも影響(幸せ)を与える(人間性)

ということまでさせることが重要です。

「自身が体験した良い実践例は周囲に共有し、皆で一緒に幸せを目指す」ことが、新学習指導要領が目指す「社会と連携・協働しながら、よりよい社会を創る」ことにつながると捉えています。

観点別評価の導入

上記のような、新学習指導要領の導入を受けて、その評価方法も大きく改訂されます。
具体的には「観点別評価」という形式で

「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」

を「A・B・C」で評定とは別に評価することになります。
観点別評価に関しては以下の記事をご覧下さい。

まとめ

「新学習指導要領」の「3つの柱」と聞くと少し難しく感じるかもしれませんが、私自身はこれまでの経験から

「知識・技能」⇒「経験で得た知識・技能かどうか」
「思考力・判断力・表現力等」⇒「最終的に活用できたかどうか(特に家庭など学外)」
「学びに向かう力・人間性等」⇒ 「自らの意思で他者(周囲)に影響(幸せ)を与えたか」

が重要だと考えます。
また、このような力は、2025年の大学入試において「大学入学共通テスト」や「推薦入試」でも問われています。以下の記事も是非参考にして下さい。

シンスケ

新学習指導要領の考え方をしっかり理解することで、学習の質も向上します!また、新学習指導要領の具体的な変更点や全体像に関しては以下をご覧下さい。

○新学習指導要領のまとめ記事はこちら↓

参考:令和元年度地方協議会等説明資料「新学習指導要領の全面実施と学習評価の改善について」(小・中学校) (mext.go.jp)

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