- 実数とは~整数・自然数・有理数・無理数・実数の違い~
- 絶対値とは
実数とは~整数・自然数・有理数・無理数・実数の違い~
数学Ⅰで扱う数には以下のような種類があります。
整数
\(0\) および \(0\) に次々に \(1\) を足したり引いたりしてできる数、すなわち
\(\cdots \cdots -3, -2, -1, 0, 1, 2, 3, \cdots \cdots\)
のことを整数 といいます。
上記のようにキリの良い数字がすべて整数です。
マイナスの数や \(0\) も含まれる点に注意しましょう。
自然数
整数の中で正のもの、すなわち
\( 1, 2, 3, \cdots \cdots\)
のことを自然数といいます。
自然数は簡単にいえば、正の整数のことです。
有理数
整数\(m\) と\(0\) でない整数\(n\) を用いて分数 \(\frac{m}{n}\) の形に表される数、すなわち
\(\displaystyle \frac{3}{5}, 5, -\displaystyle \frac{2}{3}, 0.1 \)
のことを有理数といいます。
例えば、上記の中で
\(5 = \displaystyle\frac{5}{1}\)
\(0.1 = \displaystyle\frac{1}{10}\)
となるため、やはり分数 \(\frac{m}{n}\) の形に表されます。
整数を使った分数の形で表される数はすべて有理数となります。
また、有理数は小数で表すと以下のようになります。
\(\displaystyle\frac{33}{4} = 8.25\)
\(\displaystyle\frac{15}{8} = 1.875\)
\(\displaystyle\frac{4}{3} = 1.33333 \cdots \cdots\)
\(\displaystyle\frac{55}{54} = 1.0185185 \cdots \cdots\)
ここで,
\(8.25, 1.875\)
のように小数点以下第何位かで終わる小数を有限小数といい、
\(1.33333 \cdots \cdots , 1.0185185 \cdots \cdots\)
のようにある特定の数字の配列が繰り返される小数を循環小数といいます。
循環小数は上記のままだと長くなってしまいますので,通常は
\(1.\dot{3} , 1.0\dot{1} 8 \dot{5}\)
のように表します。
繰り返す部分の最初と最後の数字に点を打てばOKです。
したがって、
有理数はすべて整数、有限小数、循環小数で表すことができ,逆に、整数・有限小数・循環小数は分数の形で表せるため、有理数となります。
無理数
循環しない無限小数で表される数のことを無理数といいます。
例えば
\(\sqrt{2} = 1.414213\cdots\cdots\)
\(\sqrt{3} = 1.7320508\cdots\cdots\)
\(\pi = 3.1415926535\cdots\cdots\)
となりますので、これらは無理数となります。
実数
有理数(整数・有限小数・循環小数)と無理数を合わせて実数といいます。
実数は今まで扱った数すべてだと考えるとよいでしょう。
例題
次の数の中から①自然数, ②整数, ③有理数, ④無理数 をそれぞれ選べ。
\(-2, 0, \displaystyle\frac{35}{5}, \displaystyle\frac{5}{2}, -\displaystyle\frac{7}{8},\)
\( -\sqrt{2}, \sqrt{16}, \displaystyle\frac{3}{\sqrt{3}}, (\sqrt{7})^2, \pi\)
解答
与えられた数において
\(-2\) (有理数かつ整数)
\(0\) (有理数かつ整数)
\(\displaystyle\frac{35}{5}=7\)(有理数かつ整数かつ自然数)
\(\displaystyle\frac{5}{2}=2.5\)(有限小数より、有理数)
\(-\displaystyle\frac{7}{8}=-0.875\)(有限小数より、有理数)
\(-\sqrt{2}=-1.4142 \cdots \)(循環しない無限小数より、無理数)
\(\sqrt{16}=4\)(有理数かつ整数かつ自然数)
\(\displaystyle\frac{3}{\sqrt{3}}=\sqrt{3}=1.732\cdots\)(循環しない無限小数より、無理数)
\((\sqrt{7})^2=7\) (有理数かつ整数かつ自然数)
\(\pi =3.141592 \cdots\)(循環しない無限小数より、無理数)
したがって、
① 自然数は \(\displaystyle\frac{35}{5}, \sqrt{16},(\sqrt{7})^2\)
② 整数は \(-2, 0, \displaystyle\frac{35}{5}, \sqrt{16}, (\sqrt{7})^2\)
③ 有理数は \(-2, 0, \displaystyle\frac{35}{5}, \displaystyle\frac{5}{2}, -\displaystyle\frac{7}{8}, \sqrt{16}, (\sqrt{7})^2\)
④ 無理数は \(-\sqrt{2}, \displaystyle\frac{3}{\sqrt{3}}, \pi \)
絶対値
数直線上における原点\(O(0)\) と点\(P(a)\) との距離を,実数\(a\) の絶対値といい、
実数\(a\) の絶対値であれば \(|a|\)
と表します。
例えば、
① \(|3| = 3\)
原点 O から \(3\) までの距離は\(3\)です。
したがって、絶対値の中が正のときは、絶対値はそのまま外せばOKです。
② \(|-2| = -(-2) = 2\)
原点 O から \(-2\) までの距離は\(2\)です。
したがって、絶対値の中が負のときは、絶対値はマイナスをつけて外し、値は正になります。
絶対値の外し方
絶対値の中が正 → そのまま外す
絶対値の中が負 → −をつけて外す
\( \begin{eqnarray} |x| = \begin{cases} x & (x \geq 0 のとき) \\ -x&(x \lt 0のとき) \end{cases}\end{eqnarray}\)
例題
次の値を求めよ。
① \(|-3|\)
② \(|3.7|\)
③ \(|\pi -4|\)
解答
① \(|-3| =-(-3)=3\)
② \(|3.7|=3.7\)
③ \(|\pi-4|=-(\pi-4)=-\pi+4\)
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