【数と式】3-7.絶対値を含む方程式・不等式の解き方

本記事の内容
  • 絶対値の外し方の基本
  • 絶対値を含む方程式・不等式の基本的な解き方
  • 絶対値を含む方程式・不等式の応用問題の解き方
目次

絶対値を含む方程式・不等式の解き方

絶対値とは~外し方の基本~

数直線上における原点\(O(0)\) と点\(P(a)\) との距離を,実数\(a\) の絶対値といい、

実数\(a\) の絶対値であれば \(|a|\)

と表します。

例えば、

① \(|3| = 3\)

シンスケ

原点 O から \(3\) までの距離は\(3\)です。
したがって、絶対値の中が正のときは、絶対値はそのまま外せばOKです。

② \(|-2| = -(-2) = 2\)

シンスケ

原点 O から \(-2\) までの距離は\(2\)です。
したがって、絶対値の中が負のときは、絶対値はマイナスをつけて外し、値は正になります。

したがって、基本的な絶対値の外し方は以下のようになります。

絶対値の外し方

絶対値の中が正 → そのまま外す
絶対値の中が負 → −をつけて外す

絶対値

\( \begin{eqnarray} |x| = \begin{cases} x & (x \geq 0 のとき) \\ -x&(x \lt 0のとき) \end{cases}\end{eqnarray}\)  

例題

次の値を求めよ。
① \(|-3|\)
② \(|3.7|\)
③ \(|\pi -4|\)

解答

① \(|-3| =-(-3)=3\)
② \(|3.7|=3.7\)
③ \(|\pi-4|=-(\pi-4)=-\pi+4\)

絶対値を含む方程式・不等式の基本的な解き方

絶対値を含む方程式・不等式の基本的な解き方をみていきましょう。

絶対値を含む方程式・不等式

\(c\) が正の定数のとき

① 方程式 \(|x|=c\) の解は \(x=\pm c \)

② 不等式 \(|x|<c\) の解は \(-c<x<c\)

③ 不等式 \(|x|>c\) の解は \(x<-c, c<x \)

例題

次の方程式・不等式を解け。
① \(|x| = 2\)
② \(|x|<2\)
③ \(|x|>2\)

解答

① \(x=\pm 2 \)

② \(-2<x<2\)

③ \(x<-2, 2<x \)

解説

① \(|x| = 2\)

⇒ 原点からの距離が \(2\) であるような \(x\) の値を求めよ。

という意味になります。

上記のように、原点からの距離が \(2\) であるような点の座標は \(2\) と \(-2\) の2つありますね。

したがって、

\(|x| = 2\) の解は

\(x=\pm 2 \)

となります。

シンスケ

マイナスの値もありますので注意しましょう。

② \(|x| < 2\)

⇒ 原点からの距離が \(2\) より小さいような \(x\) の値の範囲を求めよ。

という意味になります。

原点からの距離が \(2\) であるような点の座標は \(2\) と \(-2\) の2つありますが、このときより原点からの距離が小さい座標は上記のように\(-2\) と \(2\) の内側であればよいことがわかりますね。

したがって、

\(|x| < 2\) の解は

\(-2<x<2\)

となります。

シンスケ

「小さい場合は内側の範囲を答える」と覚えましょう。

① \(|x| > 2\)

⇒ 原点からの距離が \(2\) より大きいような \(x\) の値の範囲を求めよ。

という意味になります。

原点からの距離が \(2\) であるような点の座標は \(2\) と \(-2\) の2つありますが、このときより原点からの距離が大きい座標は上記のように\(-2\) と \(2\) の外側であればよいことがわかりますね。

したがって、

\(|x| > 2\) の解は

\(x < – 2, 2 < x\)

となります。

シンスケ

「大きい場合は外側の範囲を答える」と覚えましょう。

絶対値を含む方程式・不等式の応用問題の解き方

基本的な絶対値を含む方程式・不等式をふまえた上で応用問題にチャレンジしましょう。

応用問題 次の方程式・不等式を解け。
① \(|2x – 1| = 5\)
② \(|2x – 1| < 5\)
③ \(|2x – 1| > 5\)

解説

POINT

\( 2x – 1\) を1つの文字の塊\(A\)として考え、以下の基本的な解き方を利用する
① 方程式 \(|A| = 5\) の解は \(A = \pm 5 \)
② 不等式 \(|A| < 5\) の解は \(-5 < A < 5\)
③ 不等式 \(|A| > 5\) の解は \(A < – 5, 5 < A \)

①\(|2x – 1| = 5\)

\(2x – 1 = \pm 5\) ⇐ \( 2x – 1\) を1つの文字の塊\(A\)として考える

\(2x – 1 = -5 or 2x – 1 =5\)

\(2x = -4 or 2x = 6\)

\(x = -2, 3\)

②\(|2x – 1| < 5\)

\(-5 < 2x -1 < 5\) ⇐ \( 2x – 1\) を1つの文字の塊\(A\)として考える

\(-5+1 < 2x -1 +1 < 5 + 1\) ⇐ 1を足す

\(-4 < 2x < 6\) ⇐ 2で割る

\(-2 < x < 3\)

③\(|2x – 1| > 5\)

\(2x – 1 < -5, 5 < 2x -1\) ⇐ \( 2x – 1\) を1つの文字の塊\(A\)として考える

\(2x < -4 or 6 < 2x\)

\(x < -2 , 3 < x\)

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