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高校で新学習指導要領になると聞きましたが、具体的に何が変わるのでしょうか??
2022年度高校入学生からは新学習指導要領となるため、激変の年度となります。
具体的に何が変わるか理解しておくことは重要ですね。
各教科の変更POINTを紹介しますので、しっかり理解しておきましょう。
- 高校新学習指導要領について具体的に何が変更されるのかがわからない
- 高校新学習指導要領の改訂のPOINTや各教科・科目毎の変更点がわかる
高校学習指導要領改訂のポイント
高校学習指導要領で必ず知っておいて欲しい改訂ポイントは次の2点になります。
- 「探究学習」が重視される!
- 「教科」や「科目」が再編される!
「探究学習」が重視される!
高校新学習指導要領の科目名をみると
「日本史探究」「世界史探究」「地理探究」「古典探究」「理数探究」「総合的な探究の時間」
といった「探究」という名称がついているのがわかりますね。
新学習指導要領では「知識・技能」だけでなく、「思考力・判断力・表現力」においても習得させることが求められており、至る所に「討論」「調べ学習」などの内容が多く記載されています。
「主体的・対話的で深い学び」=「アクティブラーニング」
を導入することで、生徒達自身が自ら調べ、学べるようになる授業がこれからは求められます。
新学習指導要領で「何ができるようになるか」という「新しい時代で必要な力」をまとめたものが「資質・能力の3つの柱」です。今後は、これらの力を育てることが求められると覚えておきましょう。
- 生きて働く「知識・技能」の習得
- 思考力・判断力・表現力等
- 学びに向かう力・人間性等
「教科」や「科目」が再編される!
再編される教科は「地理歴史」「外国語(英語)」「国語」「理数(新設教科)」、科目再編としては「歴史総合」「地理総合」「公共」「情報Ⅰ」「理数」などが変更ポイントとなります。
外国語(英語)
外国語(英語)は4技能5領域といわれる「読む」「書く」「聞く」「話す(やり取り)」「話す(発表)」をバランスよく学ぶことを目的に大きく再編されます。
特に
「話す(やり取り)」ではディベート、ディスカッション
「話す(発表)」ではスピーチ、プレゼンテーション
が加わり、英語でも「探究」がキーワードになっていることがわかるかと思います。
英語コミュニケーション
「英語コミュニケーション」では4技能5領域を総合的に学ぶ科目です。
内容としてもより実践的になっており、例えば、必履修科目となる「英語コミュニケーションⅠ」ではSDGsをテーマとした内容や実際のコミュニケーションで使える英語を学びます。
また、「英語コミュニケーション」での注目ポイントは語彙数の増加です。中学から高校卒業まで語彙数は旧課程では約3000語程度でしたが、新課程では約4000~4500語と大幅に上昇することになりますので注意が必要です。
論理・表現
「論理・表現」は4技能5領域のうち「書く」「話す(やり取り)」「話す(発表)」に特化した内容を学ぶ科目となります。
自分の意見や主張を記述し(書く)、話し合い(やり取り)、伝える(発表)という一連の流れにより、言語活動がより定着されるような科目になっています。
国語
国語では「現代の国語(必履修)」「言語文化(必履修)」が新設されます。
「現代の国語」では実社会で必要な国語の知識や技能、論理的に考える力などを身に付けることを目標にした内容となっています。「言葉の特徴や使い方」「情報の扱い方」など言葉を通して社会に関わることができる能力の習得を目指す科目です。
「言語文化」では数多くの文学的文章を扱うことにより、読解力と思考力の育成を目指す科目となっています。古文・漢文もこの科目で扱う内容です。
地理歴史
地理歴史では「地理総合(必履修)」「歴史総合(必履修)」が新設されます。
「地理総合」では「気候変動」「防災」「地図」「GIS(地理情報システム)」といった世界規模の課題を考え、「歴史総合」では日本史と世界史を総合的に学ぶなどより幅広い知識が求められます。
2025年度からの共通テストにおいては、「歴史総合」と「日本史探究」、「歴史総合」と「世界史探究」のように必ず、「歴史総合」とのセットになりますので注意しましょう。
公民
公民では「公共(必履修)」が新設されます。
2022年度4月から成人年齢が18歳に引き下げられ、より政治への積極的な参加が必要な時代になりました。選挙権も18歳から与えられることでこれからは主権者教育が求められます。公共では「どう社会や政治をとらえ、参加していけばよいか」といった社会へのつながり方や政治への意識を育みます。また、少子高齢化や領土問題といった現代社会の課題も詳しく学びます。
数学
数学では「数学C」が新設され、旧課程の「数学活用」の内容が「数学A」「数学B」「数学C」に振り分けられます。時数面での大きな変化は無いものの、思考力・判断力・表現力がより重視される傾向です。数学Aでは場合の数と確率で期待値が出現し、数学Bでは「ベクトル」が数C移行となるなど一部扱う内容に変化があります。新設された数学Cでは数学Bから移行される「ベクトル」、数学Ⅲから移行される「複素数平面」なども学習します。
また、国公立大学受験の場合は文系でも「数学C」を学ぶ可能性がありますので注意しましょう。
理科
全体的に理科の時間数は変わらず他の教科に比べれば変更は少ない傾向です。課題研究などは新教科「理数」へ移行します。「理数探究」「理数探究基礎」は必履修科目ではなく、理数を専門とする一部の高校で設置されています。実験による検証など探究の過程を経る内容に関してはやはり重視される傾向です。
情報
情報で新設される「情報Ⅰ(必履修)」はプログラミングを学習内容に含む重要な科目になります。
必履修科目であるため、これからはすべての高校生がプログラミングを学び活用していく力が求められることになります。プログラミングの他にも、データの活用やインターネットの使い方、セキュリティ問題など実社会で役立つ知識も多く学びます。
情報Ⅰに関しても2025年度からの大学入学共通テストから出題されることが発表されています。
大学入試はどうなる??
新学習指導要領導入に合わせて2025年1月の実施から本格実施となる大学入学共通テストも大きく変更されますので注意しましょう。
- 歴史は日本史と世界史の両方が問われる
- 文系でも数学C が必要になる可能性がある
- 情報が新設!プログラミングも出題される
参考:令和7年度以降の試験に向けた検討について|大学入試センター (dnc.ac.jp)
以上、参考になれば嬉しいです。
新学習指導要領の全体像は以下をご覧下さい。
新任教師を向けは以下の記事も参考にして下さい。
高校教師になるための全体像
採用試験合格後から赴任当初までにやるべきこと
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