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教員採用試験に無事合格したのですが、合格後はどのような流れになるのでしょうか??
必要な準備や実際に働く上でのポイントなどあれば教えて下さい。
このような疑問に答えます。
- 採用試験合格から着任式までにやること
- 着任式から始業式までにやること
- 新任教師が好スタートを切るポイント
- 教師として働き続けるコツ
教員採用試験の合格おめでとうございます!教員免許の取得や大変な試験を乗り越えて、まずは安心していることと思います。
しかし、合格したからこそ、
「実際に働く前に何を準備したらいいだろう」
「働く上でのポイントは何??」
と新任教師として実際働く上での不安がある方も多いのではないでしょうか。
この記事では、このような方に向けて、準備から実際に働くまでの流れを解説します。
【新任教師】採用試験合格後の流れ
採用試験合格から着任式までにやること
- 教師の仕事を把握しておく
- 挨拶の練習
- 必要な物を購入する
- 担当科目の予習教師の仕事を把握しておく
- 挨拶の練習
- 必要な物を購入する
- 担当科目の予習
- 資格・スキルの取得
教師の仕事を把握しておく
教師の仕事全体の内容に関しては必ず把握しておきましょう。
教師といえば「授業」や「担任業務」をやっているイメージがあると思いますが、実際は「校務分掌」「広報活動」など様々な仕事があります。
働きながら覚えるのは難しいのでしょうか??
働きながら覚える事はもちろん可能です。私も最初はそう思っていましたが、実際に働くと日々の業務に追われ、どうしても目の前の業務でいっぱいいっぱいになってしまうんですよね。このような「目の前の業務」を日々こなすことは間違いではないのですが、それと同時にもってもらいたいのは「マクロ」な視点になります。
教師の仕事をするにあたって「マクロ」な視点を持って働くことはとても重要になります。
すなわち
「今やっている自分の仕事は生徒や学校全体にどのような影響を与えるか」
という視点です。
例えば、校務分掌の「教務部」の仕事内容には「定期試験の時間割作成」などがありますが、これは自分だけでなく、他の職員や全生徒に大いに影響する業務です。
時間割作成業務が早く完成すれば他の教職員は早めに準備できますので、あなたの仕事が学校全体に寄与することに繋がります。
このような組織全体の動きを重んじる働き方ができる教師は他の職員からも当然評価が高くなるでしょう。
仕事には優先順位をつけ、誰かと一緒に抱える仕事や学校全体に影響する仕事を先に、自身だけでできる仕事を後にすることで職場の人間関係や評価など様々な事が良好になります。
このように、自分の仕事が与える影響を事前によく理解しておくことで実際に勤務したときに、正しく優先順位をつけながら働くことができるようになります。
教師の仕事は事前にどのように勉強すればいいでしょうか?
基本的には「読書」が最もおすすめです。
読書はやはり知識を得るのに最良な方法の一つですので教職関連の本をこの機会にたくさん読みましょう。読書するのが苦手という場合は以下の記事も参考にして下さい。
教師の仕事(おすすめ書籍)
挨拶の練習
新任として着任した際の最初の仕事は「挨拶」になります。
4月当初に行う挨拶は次の3種類です。
「一番最初に行う教職員向けの挨拶」
「始業式などで全校生徒に向けて行う挨拶」
「クラスの生徒への挨拶」
第一印象は挨拶で決まってしまうと言っても過言ではありませんので、これら3つに関しては今のうちにどのような内容にするか考えておきましょう。
「挨拶が苦手」という方は以下の5つのポイントを気を付けると効果的です。
- 「ゆっくり」「はっきり」話す
- 背筋を伸ばす
- 直立不動
- 簡潔に話す
- 目立とうとしない
最初の挨拶は「簡潔」「無難」を鉄則にしましょう。
これらの具体的な詳細や挨拶例に関しては以下の記事をご覧下さい。
必要な物を購入する
必要な物は着任までに必ず買っておきましょう。
おすすめの物は以下の11点です。
- プレゼンテーションリモコン
- 強力多穴パンチ
- 確認用スタンプ
- 印鑑・訂正印
- 指示棒
- 多色チョーク
- バインダー(書類収納付き)
- 壁掛け型ホワイトボード
- ノートPC
- 礼服・式服
- ジャージ
担当科目の予習
赴任先の学校によっては、担当クラス・科目を事前に伝えてくれる場合もあります。
着任後は、授業以外の準備もあるため、担当科目がわかっている場合は事前に予習をしておくとよいでしょう。授業の予習をしっかりした状態で着任式を迎えるだけで、その他の業務に集中できるというメリットがあり、非常におすすめです。
授業の予習に関しては、一般的な授業計画(どのような流れで教えるか)に加えて、ICTを活用した授業を行えるかが今後は重要です。
具体的には「PowerPoint(スライド)」「動画」「オンラインでの課題配信」「Teamsの利用」などが挙げられます。
以下、私が実際にICT活用している例を紹介します。自身の授業に取り入れられそうな手法があれば、積極的に導入を検討しましょう。
○PowerPoint … 授業は原則、スライドを利用して進行すると非常にスムーズ。生徒にはスライド内容に対応したプリントを作成しておく。(板書に比べて、短い時間で説明しきることが可能)
○動画・画像 … 動画や画像に関しては、視覚的な効果があり理解促進に繋がる。歴史科目において実際の映像をみせたり、体育などにおいても実際の動きを動画や画像でみせると効果的。
○オンラインでの課題配信 … 従来の紙ベースの課題だと、生徒が紛失する可能性があったり、教師側の課題確認には不向き。オンラインであれば、課題自体に画像や参考URLなどを載せることもでき、課題で賄える範囲の幅を広げることができる。
○Teamsの利用 … 授業における生徒とのやり取りには「Teams」が有用。必要なデータの共有やオンライン授業にも対応できる。
これまでは板書のみの授業が主流でしたが、これからは上記のようなICTを利用したアクティブラーニング型の授業研究をできるように研鑽に努めましょう。
こちらに関しても、不明点があれば本を購入するのもおすすめです。
資格・スキルの取得
教員向けに事前に取得しておいた方がよい資格やスキルは以下の10選になります。
第1位:授業スキル(授業研究)
第2位:各専門教科のスキル
第3位:実用ボールペン字講座
第4位:コミュニケーション系の資格(コミュニケーション検定)
第5位:マイクロソフトオフィシャルスペシャリスト(MOS)
第6位:上級(普通)救命技能認定証
第7位:プログラミングスキル
第8位:英語系の資格(英検・TOEIC・TOEFL)
第9位:FP3級
第10位:簿記3級
資格やスキルの取得を考えている場合は上記がおすすめですので、迷っている場合は是非上位の習得から試してみて下さい。
現在スキルがあまりない方は今からでも、身に付けられるスキルはたくさんあります。
着任式から始業式までにやること
着任後の流れは赴任先の学校によっても様々ですが、一般的に初年度に行うことは以下のような内容になります。
- HR出席簿、授業必携簿などの作成
- 座席表・掃除当番表の作成
- クラスの教室作り
- 服務規程の確認
- 教職員・生徒の顔と名前を覚える
- 最初の授業準備
HR出席簿、授業必携簿などの作成
「HR出席簿」「授業必携簿」とは簡単に言うと「クラス」や「授業」において出欠席を管理するための帳票をまとめたものになります。
年度始めに学校で一括購入した「HR出席簿」「授業必携簿」を配布されますので、自身が担当したクラスや授業の生徒名簿を貼り付けたり、自身が使いやすいように付箋を活用してカスタマイズしておくとよいでしょう。
ただし、こちらに関しては、学校によっては「校務システム」でデータ一括管理をしている場合があります。その場合は、「HR出席簿」「授業必携簿」自体がそもそも配布されませんので、逆に「校務システム」の使い方をマスターしておくことが重要です。
座席表・掃除当番表の作成
「クラスの座席表」や「掃除当番表」に関しては担任になれば必ず作成することになります。
「Excel」などを用いれば簡単に作成することができますが、もし苦手な場合は事前に勉強をしておくことをおすすめします。
クラスの教室作り
担任になった場合は自クラスの教室を責任者として任されることになります。
特に提示物に関しては担任が自由に管理できる部分になりますので、「何を」「どのように」配置するか検討しておくとよいでしょう。
ちなみにクラス掲示物には
「時間割表」「学校のルール一覧」「非常口の案内」「学校の校舎案内図」
など、必ず共通して掲示する内容もありますが、
「クラス独自のルールの掲示」「クラスの生徒や担任の自己紹介の掲示」「クラスの写真の掲示」
のような物を自由に掲示することが大抵できますので自身が運用しやすいように検討するとよいでしょう。
服務規程の確認
服務規程に関しては、必ずよく確認しましょう。挨拶が終わると新任研修になりますが、内容としては大抵は「教務」「生徒指導」「進路指導」などの学校の服務規程となります。
特に「教務」つまり授業に関する規定と「生徒指導」に関する規定は、よく資料を読み何度も確認しておきましょう。
「出欠席のカウントの仕方」「ICT機器はどのように使っているか」といった授業に関する規定や「生徒の服装はどこから注意するのか」といった生徒指導の規定をしっかりと覚えなければ間違った対応や指導をしてしまう要因となります。
たとえ新任であっても、生徒にとっては一人の先生であることには変わりません。対応を間違えてしまうとその後の関係が悪化してしまいますので、ここでしっかりと服務規程を理解しておきましょう。
教職員・生徒の顔と名前を覚える
教職員・生徒の顔と名前は必ず覚えましょう。
特に、教職員の顔と名前は早めに覚えておいた方が断然働きやすくなります。
例えば、「質問をしっかりする」という事も「○○先生、伺ってもよいでしょうか」としっかり名前を呼んだ方が相手にとって確実に好印象になりますよね。
また、新学期が始まると「○○先生いらっしゃいますか」と職員室に生徒が訪ねてきたり、「○○先生宛に内線なのですがいらっしゃいますか」と事務所から電話があったりすることが多くあります。
このようなときに、教職員の名前と顔をしっかり覚えていないと対応できないですよね。
同様に受け持つ生徒に関しても早めに顔と名前を覚えた方が、友好関係を早く作ることができます。
不安に感じる原因には、人間関係の円滑さを心配している方も多くいるかと思いますので、まずはこちらが顔と名前を覚えることで良好な関係を築くことができます。
最初の授業準備
最初の授業準備は念入りにやりましょう。
新任教師の仕事は「クラス運営」や「校務分掌」など様々な職務がありますが、圧倒的に「授業」や「授業準備」の時間により多くの時間を費やすことになります。
極端な話、クラス運営が少し上手くいっていない場合でも、授業内容がとても良い先生であればやはり生徒や他の教職員から信頼され評価が高くなります。
それくらい、教師にとって授業はとても大切なのです。特に、初回の授業はあなたの印象が決まってしまうといっても過言ではありませんので念入りにやっておくに越したことはありません。
逆に言うと、新学期が始まってから、最初の授業までの内容が成功すれば、スタートダッシュは順調です。
「授業準備の時間を確保する方法」や「授業準備を効率的に行う方法」は以下になります。
授業準備の時間を確保する方法3選
- 他の教員と連携する
- 生徒に任せる
- ToDoリストを作る
授業準備を効率よく行う方法3選
- 教授用指導書を利用する
- プリント作成用ソフトを利用する
- 教科内で資料(データ)を共有し、ストックしていく
新任教師が好スタートを切るポイントは??
流れはだいたいイメージできるようになりました!4月に好スタートを切るために、特におさえるポイントなどはありますか??
新任の場合は最初がとても肝心です。次の7つは特に重要なので意識しましょう。
- 挨拶を成功させよう
- 服務規程をよく確認しよう
- わからない事は先輩の教職員に質問しよう
- 教職員・生徒の顔と名前を覚えよう
- 誰に対しても笑顔で接しよう
- 最初の授業準備を念入りにやろう
- 他の人と一緒に抱える仕事を最優先でやろう
教師として働き続けるコツ
最後に教師として続けていくためのコツを紹介します。
何がしたいか目標を持って働こう
「生徒の偏差値を○○まで上げる」
「生徒指導をきっちりやり、礼儀をもった生徒を育てる」
といった具体的な目標を持ちましょう。
どのような仕事でもそうですが、目標を持って働くことはとても重要です。
日々の業務に追われると「自分は何がしたいか」見失いがちになりますが、このような具体的な目標を掲げることで、頑張るための活力が生まれます。
教師は大変だけどやりがいのある仕事
私は15年以上教職に携わっていますが、教師はとても大変な職業です。具体的には次のような点があります。
- 人が相手なので思い通りの結果に繋がらない事も多い
- 専門分野を追究し続けなければならない
- 保護者との関係で苦労することもある
しかし、その一方で下記のようなやりがいや魅力もあります。
- これから活躍する多くの子供に影響を与えられる
- 自身の専門性を活かせる
- 日々の業務に変化がある
- キャリアに関係なく、生徒や組織に貢献できる
- 自分自身が成長できる
教師になった方やこれから教師を目指す方はこのような点にやりがいや魅力を感じたはずですので、辛いことがあった場合はこれらを思い出しましょう。
もし辞めたくなったときは
新任教師の方で辞めたいと考えている場合は、まずは現在自身が考える原因を突き詰めて、打開策を試してみて下さい。辞める前にまずは、本当に続けられないか考えてみることが大切です。
原因①:生徒との関係がうまくいかない
打開策:生徒に嫌われる勇気を持ち、叱るべきときには叱る!
原因②:大きな失敗をしてしまった
打開策:人間は誰でも失敗する!過度に失敗を恐れず、ときには周囲に相談して解決しよう!
原因③:予想していた仕事内容と違った
打開策:与えられた仕事をまずはこなそう!すべての業務は、自分を成長に導いてくれます!
また、実際に教師を辞める前に下記のような事もふまえた上で決定しましょう。
- やめた理由はこの後の採用面接で必ず問われる
- 教職のやりがいは他の職種では味わえない
- 教師の福利厚生は手厚い
転職にはリスクが伴いますが、転職活動自体はノーリスクで行うことができます。
もし、辞めるかどうか迷った場合は転職活動をしながら働くのも手です。
転職活動自体は、転職エージェントを利用すると効率よく進めることができますので、迷っている場合は是非利用してみて下さいね。
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