記事内に商品プロモーションを含む場合があります
授業における導入をどのようにしたらよいかわかりません。
導入のポイントやそもそも何を目的にすればよいか教えて下さい。
このような疑問や悩みに答えます。
- 授業導入における3つの大切な役割
- 授業導入におけるネタ選びのコツ5選
- 授業導入で使えるおすすめツール
- 上手い教え方のコツ
授業における悩みでよくあるのが
「授業における導入の仕方がわからない」
「導入のネタは何を話せばよいかわからない」
「そもそも導入を入れる目的って何?」
このような内容になります。
私は教育現場に15年以上おり、新任教諭の指導も行っておりますが、授業の導入の部分がうまくいかない事例は多くみてきました。
今回はこのような悩みの方に向けて、授業における導入の大切な役割やネタ選びのコツなどを解説していきます。
授業全体のコツはこちら
授業導入における3つの大切な役割
そもそも授業における導入の役割とは何でしょうか。
導入目的がはっきりしなければ、正しい導入方法を実践することはできません。
本サイトではその目的を以下の3つで定義しています。
授業導入における3つの大切な役割
✔ 本題前のウォームアップ
✔ 全体像の把握
✔ 興味・関心を抱かせる
役割①:本題前のウォームアップ
まず、1つ目は「本題前のウォームアップ」という役割になります。
通常、授業に関しては例えば週3単位の授業であれば、
「月曜1限」「木曜5限」「金曜3限」
というように授業間の日数が空きます。
では、例えば上記のような場合「月曜1限」で行った内容を「木曜5限」まで生徒が覚えているかというと……残念ながら、まず間違いなく忘れています。
うまく課題を出せば忘れさせないこともできますが、基本的には忘れていると思っておいた方が良いです。
したがって、「木曜5限」の内容が「月曜1限」に関連する場合は特に、本題に入る前のウォームアップ的な役割で「月曜1限」の簡単な復習を行うことで
「ああ、前の授業でたしかにその内容やったな」
「この前の授業のポイントはここだったな」
といったように生徒を授業内容に戻すことができるのです。
逆にいうと、導入においてこのようなウォームアップを行わずに本題に入った場合は
「本題の内容が全然わからない」
「そもそも前の授業って何をやった??」
という事態にもなりかねませんので注意しましょう。
役割②:全体像の把握
2つ目は「全体像の把握」という役割になります。
新任の先生が授業をした場合
「今何をやっているのかがわからない」
「この内容がなぜ必要なのかがわからない」
といった状態に生徒がなりやすくなりますが、その原因は「全体の流れ」を生徒が理解していないことがほとんどです。
特に「本時の目標」となるゴールがわからないと、
「ひとつひとつの内容はわかるけれども全体的にはわからない状態」
という「点」での理解になりがちです。
それに対して、導入において「授業全体の流れ」や「目標」を示唆することは、
「ひとつひとつの内容を関連して理解した状態」
という「線」での理解につなげることができるという重要な役割があります。
役割③:興味・関心を抱かせる
3つ目は「関心や興味を抱かせる」という役割になります。
これは導入の役割で最もわかりやすいかと思いますが、興味や関心がどの程度あるかによって、「理解度」は大きく変わってきます。
「全然関係ないと思っていたけど違う??」
「今までこう思っていたけど実はもっと奥が深い??」
このような意外性をもたせることができれば、
「もっと知りたい」「もっと学びたい」という学習への意欲に繋がり、それが結果的に理解度に反映されるといえます。
授業導入におけるネタ選びのコツ5選
では、導入の役割をふまえた上でどのような点に気を付けて導入を構成すべきかを考えていきましょう。
ネタ選びをするときのコツは以下の5つになります。
授業導入におけるネタ選びのコツ5選
✔ 簡単な復習を入れる
✔ 目標(ゴール)を明確にする
✔ 日常生活や身近なことに関連させる
✔ 自明性をゆさぶる
✔ 生徒の声を取り入れる
簡単な復習を入れる
導入ポイントの1つ目は「簡単な復習を入れる」ことです。
これは「役割①:本題前のウォームアップ」という目的を満たすためのポイントになります。
当該授業が前時とまったく関連がない場合はともかく、基本的にはひとつひとつの授業には繋がりがあるはずですので、全く復習を入れずに本題に入ることはあまりおすすめできません。
したがって、特に同一科目の授業日程が空く場合などは「簡単な問題演習」「スライドで簡潔に答えさせる」「小テスト」といった内容を導入部に取り入れることがおすすめです。
目標(ゴール)を明確にする
導入ポイントの2つ目は「目標(ゴール)を明確にする」ことです。
「役割②:全体像の把握」でも述べた通り、事前に授業全体の流れを理解することは重要ですが、そのためには先に本時の目標(ゴール)を理解させておくことが最低限必要になります。
「最初」と「最後」がわかっていれば、途中に関しては、最初と最後がつながるように途中を理解しようとする力が働きますので、自然と全体的な流れが理解できるようになるのです。
また、目標(ゴール)を明確にすることは「役割③:興味・関心を抱かせる」ことにも繋がります。
「意外かもしれませんが、実は最終的に○○という結果になります」
という結論や目標の明示には
「なぜそうなるのか」という興味・関心のきっかけにつながるので、導入の役割を十分に発揮しているといえるでしょう。
日常生活や身近なことに関連させる
導入ポイントの3つ目は「日常生活や身近なことに関連させる」ことが重要です。
これは「役割③:興味・関心を抱かせる」ということを満たすために必要なポイントになります。
「生徒が興味・関心を抱く話題」をする上での一つの例としては、「生徒自身に関係する話題をもってくる」ということが重要になります。
例えば
生徒が普段利用している「物」「公共施設」であったり、日常生活に関連する「食べ物」「娯楽」などについての話題を出すのも一つの手ですね。
ただし、ここでの話題選びの注意点としては、あくまでも「本時の内容に関係がある」もしくは「本時の内容に繋げられる」内容にすることが大切です。
導入は雑談ではありませんので、十分注意して下さい。
自明性をゆさぶる
導入ポイントの4つ目は「自明性をゆさぶる」ことです。
「役割③:興味・関心を抱かせる」ためには「生徒自身に関係する話題」の他にも
「ずっと○○だと思っていたけれども、実は○○だった」
といった自明性を覆す方法があります。
人は意外なことが起こると関心をもちやすくなりますので、上記のような例で本時の内容に繋げられる場合は有効な手段であるといえるでしょう。
生徒の声を取り入れる
導入ポイントの5つ目は「生徒の声を取り入れる」ことです。
これも「役割③:興味・関心を抱かせる」ために必要なポイントになりますが、「自分以外の周囲の意見や行動」は実は誰しも気になる内容になります。
例えば
「周囲の人のテストの点数はどれくらいだろう??」
「周囲の人はどこに住んでいるのだろう??」
「周囲の人の家族構成はどんなだろう??」
といったように自分が普段接する身近な人の話題はなんとなく気になる人も多いのではないでしょうか。
すなわち、興味・関心を抱かせる話題として、このような生徒達自身の情報や声をアンケートなどで扱うことは惹きつけるためのポイントになります。
ただし、このようなアンケートを扱う上では「個人情報を保護する」ことは必須になります。
上記の例で言えば、
生徒個々の「点数」「住所」「家族構成」などを開示することは絶対にNGになりますので、あくまでもクラス全体の「平均値」や「全体の傾向」としての情報を扱うようにしましょう。
導入で使えるおすすめツール
最後に上記のような導入をする上でのおすすめツールを紹介していきます。
私自身も実際に導入に利用しているおすすめツールは次の4つになります。
授業における導入のポイント
✔ Kahoot
✔ Microsoft Forms
✔ Microsoft Power Point
✔ Canva
Kahoot!
Kahoot! は「4択クイズ」や「○×クイズ」を簡単に作ることができる無料のアプリになります。
テレビのクイズ番組のようなイメージで、冒頭に早押しで答えさせたり、逆に生徒に問題を作って出し合うということもできるので導入で利用するととても盛り上がりますよ。
おすすめの使い方としては上記のポイントでも紹介した
「簡単な復習」「生徒の声を取り入れる」
といった内容にこのようなツールを利用するとよいでしょう。
Microsoft Forms
「Microsoft Forms」もアンケート作りをするにはとても便利なツールです。
「Microsoft Forms」は「Kahoot!」よりもゲーム性という意味では下がる印象ですが、アンケートした結果をしっかり分析してくれます。
Microsoft PowerPoint
「Microsoft PowerPoint」はスライド作りをする場合は一番おすすめです。
効果的な導入をするためには、視覚にうったえることが効果的になりますので、PowerPointを使った図示での説明はむしろ必ず取り入れることをおすすめします。
例えば、「前時の復習を入れる」といったこともPowerPointを使えば簡単に行えます。
また、スライドを全面に利用した授業をするにはプレゼンテーションリモコンは一つあるととても便利です。
これからはICT教育が急速に進みますので、PowerPointなどのスライドを用いた授業が求められます。私自身は、プレゼンテーションリモコンはフルに活用しており、机間巡視をしながら遠隔でスライドを操作した授業をしています。
授業準備をする際には是非、スライドを使った計画案を立てましょう。
また、授業の他にも、様々なガイダンスや説明会などを担当することも多くあり、活用する機会はたくさんありますよ。
逆に言うと、プレゼンテーションリモコンがたくさん活用できるような授業がこれからは求められていくと考えています。ICT教育は今後重要になりますので、この機会に是非購入してみて下さいね。
Canva
「Canva」は洗練された動画編集やスライド作成が簡単にできるアプリです。
特に、導入においては、動画を用いると興味・関心を抱かせやすいですのでこの機会に是非利用してみましょう。
上手い教え方のコツ
導入後は何か気を付けておくべき教え方のコツはありますか?
上記のような疑問についてですが、導入後の「教え方」が上手か下手かに関しては以下のような「計画性」「関係性」「表現性」の項目の合計値で決まると考えるとよいでしょう。
- 進行
- 負荷の最適化
- 主体的参加促進
- 主導権
- 制御
- ラポール
- 発声(大きさ・速さ・口調、言葉遣い)
- 表情
- 態度(手の癖や視野・余裕)
教え方が上手な人はこのようなことがしっかりとできており、逆に下手な人はこれらができていないという特徴があります。
導入に関してももちろん上記ができているかどうかは大切になりますので、是非チェックしてみて下さい。
授業展開に関してはこちら
おすすめ書籍
コメント