授業準備が間に合わない先生へ【効率的に行う方法】

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ラッシーくん

教員として働いてすが、授業準備が終わらなくて困っています。授業準備はどのくらいやればいいですか??また、どうすれば効率よく進めることができるでしょうか。

このような疑問に答えます。

本記事の内容
  • 授業準備の量はあなたの教育目標に合わせることが大事
  • 授業準備の時間(量)を確保する方法3選
  • 授業準備の効率(質)を高める方法3選
  • 授業準備が本当に間に合わないときでも、ごまかすのはNG
シンスケ

こんにちは!シンスケです!
中学高校の教員として15年以上学校教育に携わっている経験を活かし、様々な教育関連の情報を発信しています。「ICT教育」「探究・アクティブラーニング」「カリキュラムマネジメント」に関しての導入や、学力向上対策の提案、学校運営に関するアドバイザーもしております。教務主任の経験から、プロ目線の授業準備のコツを紹介していきます。

現在、教員として働いているものの

「授業準備が終わらない!!」
「授業準備ってどのくらいやるべき??」
「授業準備はもっと効率的にやる方法はない??」

このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

今回はこのような悩みを抱えている方に向けて、授業準備の効率的な方法や時間確保の方法を15年以上の教員経験を基に解説していきます。

結論

授業準備は他の教員や生徒と連携することで、時間を確保し効率的に進めることができる。
準備が間に合わないときでも、授業をごまかすことは絶対にやめよう。

授業全体のコツはこちら

目次

そもそも授業準備はどのくらいするべき??

まず、「そもそも授業準備はどのくらいするべきか??」という問いに関しては、「あなたの目標による」というのが私の答えになります。

正直、現場で働いていると1コマあたりの授業準備を20分程度で終わらせる先生がいる一方で、3~4時間くらいかける先生もいます。

この違いはなぜ起きるかと言うと、

A先生 ⇒ 「私はとにかく、教科書に書いてあることだけを生徒に理解させる授業をしたい」
B先生 ⇒ 「私は教科書だけを教えるのではなく、演習問題に取り組ませることで内容の定着を図りたい。また、教える単元の背景を理解させ、生徒主体のグループワークの時間も取りたい」

上記のように、例え同じ教科書を用いていても、教える先生自身の価値観や授業で教えたい「目標(生徒像)」によっても準備にかかる時間は大きく変わってきます。

シンスケ

当然、B先生のように、1つの授業でたくさんの事を教えようとすればそれだけ準備に時間をかける必要があります。

一般的には、「授業準備に時間をかければ、それだけいい授業になりやすい」と言えますが、とはいえ時間は有限ですので、あまりに授業準備だけに時間をかけすぎるのもよくありません。

特に、専任の先生であれば分掌の仕事にもしっかりと時間をかけるべきでしょう。

シンスケ

実際に、私も新人の頃は授業準備に時間をかけすぎてしまい分掌の仕事が疎かになってしまいました。その他にも、部活動や行事などもありますので授業準備のみに勤務時間を当てるのは得策とはいえないでしょう。

したがって、自分の中で主軸となる長期的な目標を立て、それにしたがって毎回の授業準備をするのがおすすめです。
例えば、

「このクラスの生徒達には○○大学のレベルに合格してもらいたい」
⇒「年度末の外部模試でクラス平均偏差値55以上を目指す必要がある」
⇒「1学期の外部模試でクラス平均偏差値50以上を目指す必要がある」
⇒「1学期の外部模試までに教科書は○ページまで、小テストは○回やる必要がある」
⇒「今月は教科書○ページまで、小テスト○回やる必要がある」
⇒「今週は教科書○ページまで、小テスト○回やる必要がある」
⇒「次の授業は教科書○ページまで、小テストはこの範囲をやろう」

このような形で、長期的な状態目標をイメージし、そこから逆算した上で、1日あたりの授業計画を立てていきましょう。
ポイントとしては、上記のように、「なるべく目標を数値化する」のが重要です。

私は、自身の授業計画だけでなく、生徒への勉強目標もこのような考え方で目標設定をさせています。

また、年間の目標を立てるときは、必ず各学校のシラバスを最初に確認することが大切です。

各学校では、必ず年間シラバスが各教科で作成されていますので、授業進度だけでなく、育てる生徒像に関しても学校で定めている場合があります。

したがって、学校の方向性と自身の方向性を照らし合わせながら、1つの授業でどこまで生徒に教えたいか、その目標に合わせた授業準備をすることが重要になります。

授業準備の時間(量)を確保する方法3選

ラッシーくん

自分の目標に合わせた授業準備が必要なのはよくわかりました。
実際に私が目標とする授業内容は準備に多くの時間がかかりそうなのですが、無理なく準備していくにはどうしたらよいでしょうか??

このような疑問もあるかと思います。

授業準備を無理なく進めていくためには、「時間の確保(量)」「効率の良さ(質)」が大切なポイントになります。

ここでは、授業準備の時間(量)を確保していく方法を紹介します。

授業準備の時間を確保する方法3選

  1. 他の教員と連携する
  2. 生徒に任せる
  3. ToDoリストを作る

他の教員と連携する

時間を確保するための1つ目のポイントは他の教員との連携をすることです。

そもそも教員の仕事内容は例えば高校教諭を例にすると以下のようなものがあります。

高校教員の仕事内容
  1. 教科指導(教科準備含む)
  2. 担任
  3. 校務分掌
  4. 部活動顧問
  5. 各種行事運営など
勤務時間と一日の流れ

8:00頃       出勤(机上の整理・自教室の確認・メールの確認)
8:20        職員朝礼(全体連絡・学年打ち合わせ)
8:30        クラス朝礼(出欠確認・連絡事項・朝学習など)
8:50 ~ 9:40 授業 or 教材研究・分掌業務(1時限目)
9:50 ~10:40 授業 or 教材研究・分掌業務(2時限目)
10:50~11:40 授業 or 教材研究・分掌業務(3時限目)
11:50~12:40 授業 or 教材研究・分掌業務(4時限目)
12:40~13:20 昼休み
13:20~14:10 授業 or 教材研究・分掌業務(5時限目)
14:20~15:10 授業 or 教材研究・分掌業務(6時限目)
15:15~15:25 クラス終礼(出欠確認・連絡事項など)
15:30~15:40 清掃
15:50~17:30 放課活動(部活動・委員会・補習など)
17:30~19:00 翌日の準備、クラス巡回など
19:00頃      退勤

教科指導(教科準備含む)以外にも「担任」「校務分掌」「部活動顧問」「各種行事運営など」がありますので、これらの業務をいかに素早くこなせるかが時間確保に有用となります。

例えば、部活動や委員会などに関しては、多忙な団体に関しては必ず複数名の顧問が任命されます。

しかしながら、このような複数名で担当している部活動や委員会に関しても、

「なぜか特定の教員だけが仕事をしている」
「顧問全員が部活に付きっ切りになっている」

など、複数名のメリットを全く生かせていないことが現状多くあります。

その他、「担任業務」に関しても副担任と協力することができますし、「分掌業務」「各種行事」なども他の教員と協力し合うことで業務量を調整することができます。

もし、「時間が確保できない」と悩んでいる場合は、このような教員同士の協力体制をしっかりと築いているか、再度考えてみましょう。

シンスケ

私自身も新人の頃は「全部自分でやらなければならない」という固定概念があり、仕事が全然終わりませんでした。しかし、人と協力する・頼む・任せることを覚えてからはかなり時間に余裕ができましたよ。

生徒に任せる

時間を確保するための2点目のポイントは「生徒に任せる」ことです。

ラッシーくん

いやいや、教員はともかく生徒には任せられないよ

このように思う方もいるかもしれませんが、実際、生徒に運用を任せることは自主性を育てるためにも重要なことになります。

例えば、部活動であれば「部長」に練習メニューを任せる、委員会であれば「委員長」に進行を任せることもできます。
むしろ、そもそも部活動や委員会のあるべき姿はあくまでも生徒主体でなくてはなりません


また、クラスの業務に関しては「掲示物に関しては掲示係を作って担当生徒に任せる」「学級委員などの代表生徒に任せる」ということもできますね。

もちろん、これらすべての仕事に関して本当に何もしないのは問題ですが、

大まかなことは生徒にもしっかり任せていき、何か困ったことがあったら見逃さず助ける

これが生徒を育てるという意味ではとても大切なのです。特に、新人教員の場合は、このような観点が抜けがちですので注意が必要です。

そして、生徒にうまく任せることができるようになると途端に自身の時間にも余裕ができますので、まさに一石二鳥といえるでしょう。

ToDoリストを作る

時間を確保するための3つ目のポイントは「ToDoリストを作る」ことになります。

授業準備以外の業務が中々終わらない方は、業務に取り掛かる優先順位を失敗したり、作業に取り掛かるまでの時間が遅いことが非常に多くあります。

授業準備以外の時間が非効率的だと授業準備の時間が確保できないのも当然ですね。

このような方は、「ToDoリストを作って効率的に作業に取り掛かる」ことをおすすめします。

「どの業務を」「どの順番で」「いつまでに終わらせるか」

このような内容をしっかりと整理できている人は、授業準備以外の業務をすぐに終わらせることができます。

結果的に、授業準備の時間確保に繋げることができますので是非試してみましょう。

授業準備を効率よく行う方法3選

続いて、授業準備を効率よく行う方法には以下の3つのポイントがあります。

授業準備を効率よく行う方法3選

  1. 教授用指導書を利用する
  2. プリント作成用ソフトを利用する
  3. 教科内で資料(データ)を共有し、ストックしていく

教授用指導書を利用する

授業準備の効率を上げる1つ目のポイントは「教授用指導書を利用する」ということになります。

ラッシーくん

教授用指導書って指導法が記載されているだけじゃないんですか??
これで時短になるんですか??

このように思われている先生もいるかもしれませんが、教授用指導書は指導法が記載されているだけでなく、

「授業用のプリント」
「説明用のスライド(パワーポイント)」
「教科書の小テスト」
「演習問題」
「教科書の解答」

このような内容が収められたデータ(CDーROM)が実は付属されています。

「授業用プリント」「説明用スライド」の内容はプロの私から見ても素晴らしい出来になっていますし、これを利用するだけでも1コマの授業は十分成立するクオリティです。
(授業用プリントやスライドに関しては付属の「デジタル教科書」にあるのが一般的ですので、内容に関してはよく確認して下さい)

特に新任の先生などは下手に自作のプリントやスライドを作るよりも、まずはこのようなツールを活用していき徐々に自分用にカスタマイズしていった方が、授業準備の効率・クオリティのどちらをとってもおすすめです。

シンスケ

授業に関しても慣れるまでは型を学ぶことがまず大切ということです。

たいていの学校では「教授用指導書」は購入しているはずですので、もし、活用したことがない人はこの機会に是非利用してみましょう。

プリント作成用ソフトを利用する

授業準備の効率を上げる2つ目のポイントは「プリント作成用ソフト」を利用することです。

例えば、私の場合は数学を専門としていますのでStudyaidを活用しています。

プリント作成ソフトは何が良いかと言うと、問題集や教科書の問題を選択するだけで簡単にプリントを作成できる点です。
しかも、問題だけでなく、詳細な解説に関してもワンクリックで作ることができます。

数学などはWord等で作成しようとすると数式の打ち込みに物凄く時間がかかったり、図やグラフの作成にも苦労しますが、このような専用のソフトであれば数式、図、表、特殊な演算記号なども簡単に作成することができます。

また、数学以外に関しては、Xam(イグザム)がおすすめです。こちらは、大学入試の過去問題などを活用した試験問題やプリントを簡単に作成できます。

国語や英語などは題材探しさえ大変かと思いますが、このソフトを利用することでストレスがかなりなくなるので、実際に利用している先生は多くいます。

これらも学校で、既に導入している学校も多くありますし、もし導入していないようであれば一度試してみることをおすすめします。

教科内で資料(データ)を共有し、ストックしていく

授業準備の効率を上げる3つ目のポイントは「教科内で資料(データ)を共有し、ストックしていく」になります。

これは各学校の教科方針にもよりますが、作成したプリントやスライドは教科内で共有するとかなり効率が上がります。

例えば、

「昨年度、数学Ⅰを担当したA先生から演習問題プリントのデータをすべてもらい、逆に自分は数学ⅡのデータをA先生にあげる」

このように、個人だけでデータをストックしていくのではなく、教科全体でデータを共有し、「良い物は皆で使う」という「GIVEの精神」を教員同士が持つとよいでしょう。

シンスケ

このように、学校内の教員が協力し合えば授業準備なども実は劇的に改善されます。助け合いは本当に大切です。また、作成したプリントやスライドは毎年教科内でストックしていくとどんどん授業準備が楽になっていきますよ。

授業準備に間に合わないときに絶対にやってはいけないこと

最後に、たとえ授業準備が間に合わないときでも「授業をごまかす」ということは絶対にやめましょう。

例えば、以下のような事です。

授業準備に間に合わないときに絶対にやってはいけないこと

  • 1コマ分ずっと自習をさせる
  • ひたすら雑談する
  • DVD等を鑑賞させる
  • 授業に関係のないゲームをする
  • 目的のない自主活動をさせる

学校ないし教員は生徒やその保護者から、学費を頂くことで成り立っている職業です。

逆に、もし、あなたが自費で参加した講演会で上記のように「ひたすら雑談」「1コマずっと自習」「1コマずっとDVD鑑賞」などをさせられたら絶対に嫌ですよね。

授業準備が間に合わないからといって、上記のような授業を放棄する行為は例えどんな理由があっても許されません

「今日の授業を生徒が家庭に報告しても問題ないかどうか」
「保護者にも見せられる授業かどうか」

このような視点を常に持ち、教師として働くのであればプロとしての自覚を最低限持ちましょう。

では、本当にどうしても間に合わなかったらどうしたらよいか??

このようなときは、

「学校に1時間早くきてでも授業準備をする」
「寝る時間を1時間遅くしてでも授業準備をする」
「夕飯を食べながらでも授業準備をする」

といったように、あくまでも自身の睡眠時間や自由時間を削ってでも授業準備に当てて下さい

厳しいようですが、最低限、プロとして働くマナーはしっかりと守りましょう。

シンスケ

私は15年以上教員をしていますが、授業準備を全くしなかったときの裏技など存在しません。プロとしての自覚をもち、あくまでも時間をかけて準備をしっかり行うことが生徒や保護者への信頼に繋がりますよ。

まとめ

今回は

「授業準備が終わらない!!」
「授業準備ってどのくらいやるべき??」
「授業準備はもっと効率的にやる方法はない??」

このような悩みを抱えている方に向けて「授業準備の量を決める目安」「授業準備の時間を確保する方法」「授業準備を効率的に行う方法」などを紹介しました。

授業準備の時間を確保する方法3選

  1. 他の教員と連携する
  2. 生徒に任せる
  3. ToDoリストを作る

授業準備を効率よく行う方法3選

  1. 教授用指導書を利用する
  2. プリント作成用ソフトを利用する
  3. 教科内で資料(データ)を共有し、ストックしていく

授業準備は「時間の確保(量)」「効率の良さ(質)」をしっかり考えることがスムーズに終わらせるためには大切です。

準備をしっかりと行うことで最終的に上手な教え方ができるようになりますので、授業自体の質をあげるためにもしっかりと行いましょう。

時間を作るためには「教員や生徒との協力や連携」を行うことが重要になります。

また、自身の作業効率アップももちろん大切なので少しずつスキルアップしていきましょう。

そして、たとえどんな理由があろうとも、

「授業準備が間に合わないから、1コマ分ずっと自習、DVD鑑賞、雑談などをすることは絶対に許されません」

授業準備がどうしても間に合わない場合は、自身の落ち度でもありますので「1時間早く出勤する」などをして無理矢理にでも準備をするのがプロとしての最低限のマナーです。

したがって、結論としては

授業準備は他の教員や生徒と連携することで、時間を確保し効率的に進めることができる。
準備が間に合わないときでも、授業をごまかすことは絶対にしてはならない。

となります。

シンスケ

以上、参考になれば嬉しいです。その他、教師・新任教師の方に向けにおすすめの書籍・記事は以下になります。

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