確率分布と統計的な推測 基本問題一覧〜一問一答式(高校数学B)〜

このページは【確率分布と統計的な推測】の基本問題まとめページです。


確率変数と確率分布、期待値・分散・標準偏差、二項分布、連続確率変数と正規分布、標本平均の分布、母平均・母比率の推定まで、教科書の全単元を一問一答形式で網羅しています。

各問題には「現役教員のワンポイントアドバイス(つまずき・誤答対策)」を掲載していますので、確実な計算力と解法の定着に役立ててください。

目次

確率分布と統計的な推測 基本問題一覧〜一問一答式(高校数学B)〜

【第1章:確率変数と確率分布】

問1:確率分布と確率の基本

確率変数 \(X\) の確率分布が次の表で与えられているとき、定数 \(a\) の値を求めなさい。
\begin{array}{c|ccc|c} X & 1 & 2 & 3 & \text{計} \\ \hline P & 0.2 & a & 0.3 & 1 \end{array}

問1:確率分布と確率の基本 の解答・解説

【解答】 \(a = 0.5\)

【解説】
確率の総和は常に \(1\) であるため、
\[0.2 + a + 0.3 = 1\]
\[a + 0.5 = 1\]
したがって、\(a = 0.5\)

👨‍🏫 教員のアドバイス:ここがつまずきポイント!
確率分布の問題では、**「全確率の和=1」**が解法の第一歩になります!
未知数 \(a\) や \(k\) を含む問題が出たら、まず確率をすべて足して \(1\) になる方程式を立てましょう。

問2:期待値(平均)の計算

1個のサイコロを投げたときに出る目を \(X\) とする。\(X\) の期待値 \(E(X)\) を求めなさい。

問2:期待値(平均)の計算 の解答・解説

【解答】 \(E(X) = \frac{7}{2}\) (または \(3.5\))

【解説】
\(X\) のとる値は \(1, 2, 3, 4, 5, 6\) で、各々の確率は \(\frac{1}{6}\) です。
\[E(X) = 1 \cdot \frac{1}{6} + 2 \cdot \frac{1}{6} + 3 \cdot \frac{1}{6} + 4 \cdot \frac{1}{6} + 5 \cdot \frac{1}{6} + 6 \cdot \frac{1}{6}\]
\[= \frac{1+2+3+4+5+6}{6} = \frac{21}{6} = \frac{7}{2}\]

👨‍🏫 教員のアドバイス:ここがつまずきポイント!
期待値は **「(値 × 確率) の総和」** です!
サイコロの目の平均値 \(3.5\) はよく登場する基本の数値なので、暗記しておくと検算に便利です。

問3:分散と標準偏差の基本

確率変数 \(X\) について、\(E(X) = 3\)、\(E(X^2) = 13\) であるとき、\(X\) の分散 \(V(X)\) および標準偏差 \(\sigma(X)\) を求めなさい。

問3:分散と標準偏差の基本 の解答・解説

【解答】 \(V(X) = 4\), \(\sigma(X) = 2\)

【解説】
分散の公式 \(V(X) = E(X^2) – \{E(X)\}^2\) より、
\[V(X) = 13 – 3^2 = 13 – 9 = 4\]
標準偏差 \(\sigma(X)\) は分散の正の平方根なので、
\[\sigma(X) = \sqrt{V(X)} = \sqrt{4} = 2\]

👨‍🏫 教員のアドバイス:ここがつまずきポイント!
分散の公式 **「\(V(X) = E(X^2) – (E(X))^2\)(2乗の平均 - 平均の2乗)」** は最重要!
「\(E(X^2)\)」と「\((E(X))^2\)」の順序やカッコの位置を混同しないようにしっかり区別しましょう。

問4:確率変数の一次変換 \(aX+b\)

確率変数 \(X\) の期待値が \(E(X) = 5\)、分散が \(V(X) = 9\) であるとき、\(Y = 2X – 3\) の期待値 \(E(Y)\)、分散 \(V(Y)\)、標準偏差 \(\sigma(Y)\) を求めなさい。

問4:確率変数の一次変換 \(aX+b\) の解答・解説

【解答】 \(E(Y) = 7\), \(V(Y) = 36\), \(\sigma(Y) = 6\)

【解説】
一次変換 \(aX + b\) の性質を利用します。
・\(E(2X – 3) = 2E(X) – 3 = 2(5) – 3 = 7\)
・\(V(2X – 3) = 2^2 V(X) = 4 \times 9 = 36\)
・\(\sigma(2X – 3) = |2|\sigma(X) = 2 \times \sqrt{9} = 6\)

👨‍🏫 教員のアドバイス:ここがつまずきポイント!
・期待値 \(E\):定数の掛け算・引き算がそのまま外に出る(\(aE(X)+b\))
・分散 \(V\):定数の足し引き(\(b\))は無視され、**係数は2乗(\(a^2\))** になる!
分散で \(-3\) を計算に入れてしまうミスが非常に多いので注意してください。

【第2章:二項分布】

問5:二項分布の確率

1個のコインを5回投げるとき、表がちょうど3回出る確率を求めなさい。

問5:二項分布の確率 の解答・解説

【解答】 \(\frac{5}{16}\)

【解説】
表が出る回数 \(X\) は二項分布 \(B\left(5, \frac{1}{2}\right)\) に従います。
\[P(X = 3) = {}_5\mathrm{C}_3 \left(\frac{1}{2}\right)^3 \left(1 – \frac{1}{2}\right)^{5-3} = 10 \cdot \left(\frac{1}{2}\right)^3 \cdot \left(\frac{1}{2}\right)^2 = 10 \cdot \frac{1}{32} = \frac{5}{16}\]

👨‍🏫 教員のアドバイス:ここがつまずきポイント!
「同じ試行を繰り返す」ときは反復試行の確率、つまり**二項分布 \(B(n, p)\)** の登場です!
\(P(X=k) = {}_n\mathrm{C}_k p^k (1-p)^{n-k}\) の公式の形を確実に押さえましょう。

問6:二項分布の期待値・分散

確率変数 \(X\) が二項分布 \(B\left(100, \frac{1}{5}\right)\) に従うとき、\(X\) の期待値 \(E(X)\)、分散 \(V(X)\)、標準偏差 \(\sigma(X)\) を求めなさい。

問6:二項分布の期待値・分散 の解答・解説

【解答】 \(E(X) = 20\), \(V(X) = 16\), \(\sigma(X) = 4\)

【解説】
二項分布 \(B(n, p)\) の公式を利用します(\(n = 100\), \(p = \frac{1}{5}\), \(q = 1 – p = \frac{4}{5}\))。
・\(E(X) = np = 100 \times \frac{1}{5} = 20\)
・\(V(X) = npq = 100 \times \frac{1}{5} \times \frac{4}{5} = 16\)
・\(\sigma(X) = \sqrt{V(X)} = \sqrt{16} = 4\)

👨‍🏫 教員のアドバイス:ここがつまずきポイント!
二項分布の期待値・分散は **\(E(X)=np\)**、**\(V(X)=np(1-p)\)** という超強力な公式があります!
表を作って愚直に計算する必要はないので、公式を一瞬で取り出せるようにしておきましょう。

【第3章:連続確率変数と正規分布】

問7:確率密度関数

連続確率変数 \(X\) の確率密度関数が \(f(x) = kx\) (\(0 \le x \le 2\))で与えられるとき、定数 \(k\) の値を求めなさい。

問7:確率密度関数 の解答・解説

【解答】 \(k = \frac{1}{2}\)

【解説】
確率密度関数の全領域における面積(定積分)は \(1\) になります。
\[\int_{0}^{2} kx \, dx = \left[ \frac{k}{2}x^2 \right]_{0}^{2} = 2k\]
全確率の和が \(1\) なので、\(2k = 1\) より \(k = \frac{1}{2}\)
(※ \(x\) 軸と直線 \(x=2\)、\(y=kx\) で囲まれた三角形の面積 \(\frac{1}{2} \times 2 \times 2k = 2k = 1\) と考えてもOKです)

👨‍🏫 教員のアドバイス:ここがつまずきポイント!
連続確率変数では **「グラフと \(x\) 軸で囲まれた部分の面積=確率(全体で1)」** となるのが最大のポイントです!
直線のグラフなら三角形や台形の面積公式、曲線なら積分を使って全体量を \(1\) と置きましょう。

問8:正規分布の標準化

確率変数 \(X\) が正規分布 \(N(50, 10^2)\) に従うとき、\(X = 65\) に対応する標準正規分布 \(N(0, 1)\) の値 \(Z\) を求めなさい。

問8:正規分布の標準化 の解答・解説

【解答】 \(Z = 1.5\)

【解説】
平均 \(m = 50\)、標準偏差 \(\sigma = 10\) です。
標準化の公式 \(Z = \frac{X – m}{\sigma}\) を利用して、
\[Z = \frac{65 – 50}{10} = \frac{15}{10} = 1.5\]

👨‍🏫 教員のアドバイス:ここがつまずきポイント!
一般的な正規分布のままでは確率の計算ができないため、必ず **\(Z = \frac{X – m}{\sigma}\)** で標準化(平均0、標準偏差1にする変換)を行います。
分母は分散 \(\sigma^2\) ではなく **標準偏差 \(\sigma\)** である点に注意!

問9:正規分布表の読み取り

\(Z\) が標準正規分布 \(N(0, 1)\) に従うとき、正規分布表(\(p(1.5) = 0.4332\))を用いて確率 \(P(0 \le Z \le 1.5)\) および \(P(Z \ge 1.5)\) を求めなさい。

問9:正規分布表の読み取り の解答・解説

【解答】 \(P(0 \le Z \le 1.5) = 0.4332\), \(P(Z \ge 1.5) = 0.0668\)

【解説】
・\(P(0 \le Z \le 1.5)\) は正規分布表の数値そのものなので \(0.4332\)
・標準正規分布は左右対称で、\(Z \ge 0\) の全体の面積は \(0.5\) です。
よって、\(P(Z \ge 1.5) = 0.5 – P(0 \le Z \le 1.5) = 0.5 – 0.4332 = 0.0668\)

👨‍🏫 教員のアドバイス:ここがつまずきポイント!
正規分布曲線は **左右対称** で、**中心(Z=0)より右側全体の面積は 0.5** になります。
「\(0.5\) から引き算する」パターンか「表の値をそのまま足す」パターンか、簡単な山型のグラフを描いて面積の位置を確認する癖をつけましょう。

問10:二項分布の正規分布近似

1枚のコインを400回投げるとき、表が出る回数 \(X\) が従う近似的な正規分布の型 \(N(m, \sigma^2)\) を求めなさい。

問10:二項分布の正規分布近似 の解答・解説

【解答】 \(N(200, 10^2)\) (または \(N(200, 100)\))

【解説】
試行回数 \(n = 400\) が十分に大きいため、二項分布 \(B\left(400, \frac{1}{2}\right)\) は近似的に正規分布 \(N(m, \sigma^2)\) に従います。
・平均 \(m = np = 400 \times \frac{1}{2} = 200\)
・分散 \(\sigma^2 = np(1-p) = 400 \times \frac{1}{2} \times \frac{1}{2} = 100 = 10^2\)
したがって、従う分布は \(N(200, 10^2)\) となります。

👨‍🏫 教員のアドバイス:ここがつまずきポイント!
「試行回数 \(n\) が大きい二項分布」は、**平均 \(m = np\)、分散 \(\sigma^2 = np(1-p)\) の正規分布に化ける(近似できる)** という性質(ラプラスの定理)を使います。
これにより二項分布の問題が問8・問9のような正規分布の標準化問題に化けます!

【第4章:標本分布と統計的推測】

問11:標本平均 \(\bar{X}\) の期待値と標準偏差

母平均 \(m = 60\)、母標準偏差 \(\sigma = 20\) である母集団から、大きさ \(n = 100\) の無作為標本を抽出するとき、標本平均 \(\bar{X}\) の期待値 \(E(\bar{X})\) と標準偏差 \(\sigma(\bar{X})\) を求めなさい。

問11:標本平均 \(\bar{X}\) の期待値と標準偏差 の解答・解説

【解答】 \(E(\bar{X}) = 60\), \(\sigma(\bar{X}) = 2\)

【解説】
標本平均 \(\bar{X}\) の性質より、
・\(E(\bar{X}) = m = 60\)
・\(\sigma(\bar{X}) = \frac{\sigma}{\sqrt{n}} = \frac{20}{\sqrt{100}} = \frac{20}{10} = 2\)

👨‍🏫 教員のアドバイス:ここがつまずきポイント!
標本平均の標準偏差は、元の標準偏差 \(\sigma\) を **\(\sqrt{n}\) で割る** 必要があります!
サンプル数(\(n\))を増やせば増やすほどデータのバラつき(標準偏差)が小さくなる、というイメージを持つと記憶に残りやすいです。

問12:母平均の推定(信頼区間95%)

ある母集団から大きさ \(n = 100\) の標本を抽出したところ、標本平均は \(\bar{X} = 70\) であった。母標準偏差を \(\sigma = 10\) とするとき、母平均 \(m\) に対する信頼度 95% の信頼区間を求めなさい。

問12:母平均の推定(信頼区間95%) の解答・解説

【解答】 \(68.04 \le m \le 71.96\)

【解説】
信頼度 95% の信頼区間の公式 \(\left[ \bar{X} – 1.96 \frac{\sigma}{\sqrt{n}}, \, \bar{X} + 1.96 \frac{\sigma}{\sqrt{n}} \right]\) を利用します。
\[1.96 \frac{\sigma}{\sqrt{n}} = 1.96 \times \frac{10}{\sqrt{100}} = 1.96 \times 1 = 1.96\]
したがって、信頼区間は
\[70 – 1.96 \le m \le 70 + 1.96\]
より、\(68.04 \le m \le 71.96\)

👨‍🏫 教員のアドバイス:ここがつまずきポイント!
信頼度 95% のときのキーワード数値は **\(1.96\)** です!(※信頼度 99% の場合は **\(2.58\)**)
公式 **「\(\bar{X} \pm 1.96 \frac{\sigma}{\sqrt{n}}\)」** はテストに超必出なので暗唱できるようにしておきましょう。

問13:母比率の推定

400人の有権者を無作為抽出して調査したところ、240人が提案に賛成した。標本比率 \(R\) を求め、母比率 \(p\) に対する信頼度 95% の信頼区間を求めなさい。

問13:母比率の推定 の解答・解説

【解答】 標本比率 \(R = 0.6\)、信頼区間:\(0.552 \le p \le 0.648\)

【解説】
標本比率 \(R = \frac{240}{400} = 0.6\)
母比率の信頼区間 95% の公式 \(\left[ R – 1.96 \sqrt{\frac{R(1-R)}{n}}, \, R + 1.96 \sqrt{\frac{R(1-R)}{n}} \right]\) を利用します。
\[1.96 \sqrt{\frac{0.6 \times 0.4}{400}} = 1.96 \sqrt{\frac{0.24}{400}} = 1.96 \times 0.0245 \approx 0.048\]
したがって、信頼区間は
\[0.6 – 0.048 \le p \le 0.6 + 0.048\]
より、\(0.552 \le p \le 0.648\)

👨‍🏫 教員のアドバイス:ここがつまずきポイント!
母比率の推定公式は、ルートの中身が **\(\sqrt{\frac{R(1-R)}{n}}\)** となるのが特徴です!
平均の推定の \(\frac{\sigma}{\sqrt{n}}\) と混同しやすいので、「比率の問題は \(R(1-R)\) を使ったルート」としっかり区別しましょう。

問14:仮説検定の考え方

あるコインを100回投げたところ、表が65回出た。このコインは「表が出やすい」と判断してよいか、有意水準5%で仮説検定を行う際の帰無仮説 \(H_0\) と対立仮説 \(H_1\) の立て方を答えなさい。

問14:仮説検定の考え方 の解答・解説

【解答】
・帰無仮説 \(H_0\):「コインは公正である(表が出る確率 \(p = \frac{1}{2}\))」
・対立仮説 \(H_1\):「コインは表が出やすい(表が出る確率 \(p > \frac{1}{2}\))」

【解説】
仮説検定では、主張したいこと(表が出やすい)の逆である「差がない・公正である」という仮説を否定(棄却)することを目指します。
捨てたい仮説を「帰無仮説 \(H_0\)」、証明したい本命の仮説を「対立仮説 \(H_1\)」として設定します。

👨‍🏫 教員のアドバイス:ここがつまずきポイント!
仮説の立て方は逆になりやすいので注意!
**「帰無仮説(\(H_0\))=否定して無に帰したい仮説(効果がない・平等である)」**
**「対立仮説(\(H_1\))=主張したい本命の仮説(効果がある・偏りがある)」**
と覚えておくと混乱を防げます。

問15:仮説検定の判定

問14の検定において、帰無仮説 \(H_0\)(\(p=\frac{1}{2}\))のもとで表が65回以上出る確率(\(p\) 値)を計算したところ、\(p \approx 0.0018\) であった。有意水準 5%(\(0.05\))で検定したとき、結論はどうなるか答えなさい。

問15:仮説検定の判定 の解答・解説

【解答】 帰無仮説 \(H_0\) を棄却し、対立仮説 \(H_1\) を採択する。(結論:「コインは表が出やすい」と判断できる。)

【解説】
得られた確率 \(0.0018\) は有意水準 \(0.05\)(5%)よりも十分に小さい値です(\(0.0018 < 0.05\))。
これは「公正なコインであればめったに起こり得ない(奇跡的な)現象が起きた」ことを意味するため、前提とした帰無仮説 \(H_0\)(公正である)が間違っていたと考え、\(H_0\) を棄却して「表が出やすい」と結論付けます。

👨‍🏫 教員のアドバイス:ここがつまずきポイント!
・**\(p\) 値 < 有意水準** → レアすぎる!仮説が間違っていたので **「帰無仮説を棄却(本命を採択)」**
・**\(p\) 値 \(\ge\) 有意水準** → よくある範囲! **「帰無仮説を棄却できない(主張は認められない)」**
判定ルールを正しく整理しておきましょう!

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