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今度、仕事や勉強を教えることになったのですが、教え方のコツはありますか?
教え方が上手い人と下手な人にはどのような特徴があるのでしょうか。
注意すべき項目を教えて下さい。
このような疑問や悩みに答えます。
- 教える目的
- 上手な教え方のコツと下手な人の特徴
- 教え方で意識したいチェックリスト18項目
15年以上学校教育の現場に携わっている中学高校の教員です。担任を6年、教務主任を6年ほど経験した後、現在は学校運営に関するアドバイザー業務をしております。
勉強や仕事など誰かに教える機会は多くありますが、
「上手な教え方と下手な教え方の違いがわからない」
「上手に教えるためには何を意識すればいい?」
「そもそも教える目的って何?」
このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
私は教育現場に15年以上いますが、教え方がうまくいかず「わからない」「教え方が悪い」とか言われてしまうととても落ち込みますよね。また、上手く説明できたつもりでも、実際には伝わっていないことも多々あるかと思います。
今回はこのような悩みの方に向けて、そもそも教える目的や上手な教え方のポイントなどを15年以上の教育経験から解説していきます。
最後にチェックリストもありますので、是非こちらの項目もみながら教え方の参考にしてみて下さいね。
教える目的
そもそも、誰かに何かを「教える」目的は、
「教えた相手を成長させる」
ということが本質になります。
よくありがちな例として何かを説明した後に「今日はとても上手に説明できた」とか、逆に「うまく説明できなかった」とコメントする人がいますが、これはあくまでも自分自身の説明がどうだったかということに重きをおいており、本質的ではありません。
すなわち、自分自身が上手に説明できたかどうかに関わらず、
相手が成長した・できるようになった → 上手い教え方
相手が成長できなかった・できるようにならなかった → 下手な教え方
という認識が非常に重要です。
特に注意が必要なのは「今日はとても上手に説明できた」と自信を持ってコメントするタイプの人です。
このタイプの人はあくまでも自分自身の感覚で気持ち良く説明し、上手に教えた気になっているだけで実状は教えた相手に全く伝わっていないこともしばしばあります。
したがって、上手く教えられたかどうかは「相手の成長度合い」をみることが重要ポイントになるということを強く意識しましょう。
上手な教え方のコツと下手な人の特徴
では、上手に教えるためにはどのような事を意識すればよいでしょうか?コツはありますか?
上記のような疑問についてですが、「教え方」が上手か下手かに関しては以下のような「計画性」「関係性」「表現性」の項目の合計値で決まると考えるとよいでしょう。
- 進行
- 負荷の最適化
- 主体的参加促進
- 主導権
- 制御
- ラポール
- 発声(大きさ・速さ・口調、言葉遣い)
- 表情
- 態度(手の癖や視野・余裕)
教え方が上手な人はこのようなことがしっかりとできており、逆に下手な人はこれらができていないという特徴があります。
計画性(準備)
「計画性」とは要するに「教える前にしっかり準備したかどうか」です。
「教え方」が上手か下手かは、説明する瞬間(当日)の出来・不出来にかかっていると勘違いしている人が多いのですが、実際は説明する瞬間(当日)ではなく、その前の準備がどれだけできているかで上手い教え方ができるかどうかが決まると言っても過言ではありません。
説明が下手な人は準備を疎かにしがちです。
私自身も新任教諭の頃は当日の説明がすべてだと勘違いしていました。
- 進行
- 負荷の最適化
- 主体的参加促進
具体的には、上記の「進行」「負荷の最適化」「主体的参加促進」の3つについての項目がしっかりとできていればかなり良い準備ができていると言えるでしょう。
進行
まず、教え方の「計画性(準備)」でも一番始めに改善したい内容が「進行」になります。
教えるのが上手い人は全体的な「進行」がスムーズで内容がわかりやすいイメージがありませんか?
実は教えるのが上手い人は「どのタイミング」で「どのような内容」を「どれくらいの時間をかけて教えるか」を事前にしっかりと考えています。準備する具体的なポイントを挙げれば下記のような内容です。
計画性のチェックポイント①(進行)
☑ 教えるポイントを明確にする
→ 先に結論を示す、重要箇所をわかりやすくしておく
☑ 具体例をあげたり、先に手本をみせる
→ 1つの結論に対して最低1つ以上は具体例をあげるとわかりやすくなる
☑ 根拠を示す
→ 根拠を入れることで正しさを証明でき、説得力が増す
☑ 図や表などを用いる
→ 口頭だけでなく、視覚的な表現があるほどわかりやすくなる
☑ 教える量・内容・難易度を適切にする
→ 教える相手(理解度)によって量や内容、難易度(専門用語など)を予め調整する
一般的に
「進行がスムーズでわかりやすい」
と言われる人はほぼ間違いなく上記のような項目の条件を多く満たしている人になります。
しかしながら、実はこのような条件を事前準備もなくいきなり満たしながら話せる人はほぼいません。
例えば、天才的な話術があると思われがちな明石家さんまさんですら、番組スタッフとの徹底した打ち合わせや出演者の履歴を調べ、準備に手を抜かない姿勢をずっと続けていると言われています。
実際に私自身もいきなり興味深い話ができるわけではなく、授業準備の段階で相当数の時間をかけています。授業準備は本番の授業の最低3倍は時間をかけていますね。
また、難易度に関しても担当するクラスの生徒レベルによって必ず調整します。
逆に言うと、このような事前準備さえしっかりしてしまえば、当日はそれに従って教えるだけですよね。
したがって、教え方の最も基本事項である「進行」を上記の5項目の要件を満たすようにしっかりと事前準備しておくことが教え方を改善するには何よりも大切なコツになります。
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負荷の最適化・主体的参加促進
教え方の「計画性(準備)」に関しては「進行」だけでも当日の説明はほぼ問題ありません。
しかしながら、
「より教える相手を成長させたい」
「他の人よりも教えるのが上手いと思われたい」
このような人は「負荷の最適化」と「主体的参加促進」を教える準備の段階でさらに入れることを考えましょう。
「教える目的」でも既に説明した通り、教え方が下手な人にありがちなのは「自分の説明を重視する」という特徴があります。それに対し、教え方が上手い人は「自分の説明よりも、相手に理解させることを重視」します。
すなわち、「教える自分の負荷」という視点ではなく、「教えられる相手の負荷や参加性」を意識することで、相手にとってより理解や定着に繋がる結果を出すことができます。
実際の教育現場でもこのような「主体的参加」「アクティブラーニング」ということが現在重視されています。
身近な例でいえば、テレビのクイズ番組でも出演者だけでなく、視聴者が参加できるような形式の番組がより視聴率が高かったり、お笑い芸人さんでも自分達だけでネタをやるのではなく、会場にいるお客さんやゲストに振ったり、一緒に笑いを作ったりする芸人さんが人気があったりしますよね。
これと同様の原理で、あなたが教える際には例えば、以下のような内容を入れることで「教えられる相手の負荷や参加性」を高めることができます。
計画性のチェックポイント②(負荷・参加性)
☑ 相手への発問を入れる
☑ 相手に教えた内容をその場で実践してもらう
→ アウトプットを重視する
☑ 一度教えた内容でも、反復で何度かやってもらう
→ 「できた」実感を何度も与える
☑ 考える時間をとる
☑ あえてすべてを教えない(ヒントを与え続ける)
上記のような、教えられる相手に「考えてもらう時間」や「反復して実践する時間」をとる(準備しておく)ことが教え方のコツになります。
また、相手に負荷がかかるということは逆に言うと自分の負荷は間接的に減りますので、当日教える際の自身の余裕にもつながりますよ。
関係性(人間関係)
「計画性(準備)」に続いて、2つ目に重要な項目は「関係性(人間関係)」になります。
ここでいう「関係性」とは「教える相手との人間関係がしっかりできているかどうか」になります。
- 主導権
- 制御
- ラポール
具体的には、上記の「主導権」「制御」「ラポール」の3つについての項目が満たされた関係性を相手と築くことが大切になります。
これに関しては例えば以下のような項目を事前に満たしておく必要があります。
関係性のチェックポイント(主導権・制御・ラポール)
☑ 教える相手とは、主導権をとれる間柄である
→ 教員と生徒、先輩と後輩、親と子など最低でも対等以上の関係
☑ 教える相手が、理由もなく自分に反発することはない
→ 教えている時間だけでも、自分の指示に従ってもらう必要がある
☑ 教える相手との信頼関係(ラポール)がある
→ 間違えていなければ内容を受け入れてくれるだけの信頼が必要
どんなに教える側が「準備」をしたとしても、相手との人間関係が悪い場合は、その効果を十分に発揮できません。
例えば、
「普段だらしない人」「日常的に自分を嫌っている人」
の説明は教えられる側からするとどうしても積極的に理解しようという気にはならないですよね。
逆に、日常的に尊敬している人の話であれば、多少、自分と考え方が違っていても
「この人の言うことなら聞こう」
と積極的に意図を理解しようとする人も少なくないはずです。
このように、教え方が上手な人は日常の人間関係作りを教える以前に大切にします。
表現性
3つ目の項目「表現性」は「教えている瞬間の表現方法」になります。
- 発声(大きさ・速さ・口調、言葉遣い)
- 表情
- 態度(手の癖や視野・余裕)
具体的には上記のような教えた際の「発声」「表情」「態度」などがあげられますので以下のような項目をチェックしてみましょう。
表現性のチェックポイント(発声・表情・態度)
☑ 声が大きさ・速さが適切である
☑ 丁寧な話口調と言葉遣いをしている
☑ 表情が柔らかく、威圧的でない
☑ 教える側に癖がない(手や口癖など)
☑ 教える側に余裕がある(視野が広いなど)
「計画性(準備)」「関係性(人間関係)」に関しては教える前に重要な項目でしたが、最後の「表現性」に関しては実際に教える瞬間の声や表情、態度になります。
ここに関しては、あくまでも教えるときに注意する必要があります。
しかしながら、今までの「計画性(準備)」「関係性(人間関係)」がしっかりとできているのであれば落ち着いてこなせる内容になります。
例えば、「計画性(準備)」がしっかりできているのであれば、自然と教える側に余裕が生まれますし、自信があるので声の大きさも大きくなります。
また、相手との「関係性(人間関係)」が良好であるならば、自然と表情も柔らかくなり、丁寧な口調で話すことができるでしょう。
すなわち、実際に教えた際に最も注目される「表現性」とは、「計画性(準備)」「関係性(人間関係)」の構築の上で自然と成り立つ項目であるといえます。
逆にいうと、教えるのが下手な人は「準備」や「相手との人間関係」よりも当日教える瞬間の「表現性」のみに着目し、改善しようとしがちですので注意しましょう。
まとめ:教え方のコツは次の18項目をチェックしよう
最後にまとめとして、ここまで紹介した教え方のコツのチェックリストは以下になります。
「今から教え方が上手くなりたい」、「教え方が下手なので何とかしたい」と考えている方は是非以下の18項目について見なおしてみて下さい。
計画性のチェックポイント(進行・負荷・参加性)
☑ 教えるポイントを明確にする
→ 先に結論を示す、重要箇所をわかりやすくしておく
☑ 具体例をあげたり、先に手本をみせる
→ 1つの結論に対して最低1つ以上は具体例をあげるとわかりやすくなる
☑ 根拠を示す
→ 根拠を入れることで正しさを証明でき、説得力が増す
☑ 図や表などを用いる
→ 口頭だけでなく、視覚的な表現があるほどわかりやすくなる
☑ 教える量・内容・難易度を適切にする
→ 教える相手(理解度)によって量や内容、難易度(専門用語など)を予め調整する
☑ 相手への発問を入れる
☑ 相手に教えた内容をその場で実践してもらう
→ アウトプットを重視する
☑ 一度教えた内容でも、反復で何度かやってもらう
→ 「できた」実感を何度も与える
☑ 考える時間をとる
☑ あえてすべてを教えない(ヒントを与え続ける)
関係性のチェックポイント(主導権・制御・ラポール)
☑ 教える相手とは、主導権をとれる間柄である
→ 教員と生徒、先輩と後輩、親と子など最低でも対等以上の関係
☑ 教える相手が、理由もなく自分に反発することはない
→ 教えている時間だけでも、自分の指示に従ってもらう必要がある
☑ 教える相手との信頼関係(ラポール)がある
→ 間違えていなければ内容を受け入れてくれるだけの信頼が必要
表現性のチェックポイント(発声・表情・態度)
☑ 声が大きさ・速さが適切である
☑ 丁寧な話口調と言葉遣いをしている
☑ 表情が柔らかく、威圧的でない
☑ 教える側に癖がない(手や口癖など)
☑ 教える側に余裕がある(視野が広いなど)
私自身、15年以上教育現場におりますが、教え方で重要なのはその人のセンスや能力ではなく、「計画性」「関係性」といった準備や人間関係がしっかりできていることの方がむしろ大きいと感じています。
一流の教え方ができる人はやはり相当数の時間をかけていますので、何事も努力を怠らないことが大切ですね。
特にコミュニケーションに関しては以下のようなコミュニケーション検定もあります。
履歴書にも書くことができ、人間関係が良好になる力もつくので、大変おすすめですよ。
こんな方におすすめ | ・自己肯定感を上げたい方 ・就職・転職をお考えの方 ・HSP,繊細な心をお持ちの方 ・職場の関係にお悩みの方 ・コミュニケーション力をつけたい方 |
メリット | ・自分のことがわかる ・テレワークや非対面営業などオンライン ・コミュニケーションに役立つ ・部下、子ども、スポーツ選手などのモチベーション向上に役立つ ・広告キャッチコピーの反応率アップ、営業・接客力アップ、売上アップに、知ったその日から使える |
・自宅に居ながらスマホの動画視聴で、履歴書に書けるコミュニケーションの資格がとれる。
・学んだその日から使って役立つ実践的なメソッド。 中級は6か月何度でも繰り返し視聴できます。
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