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高校教師はお休みってあるのでしょうか?休みがとれないほど忙しいと聞くので、ちゃんと休めるのかが心配しています。
このような疑問に答えます。
- 私立の場合土曜日が休みではないことが多いが、労働基準法通りに週休二日の休みがとれる(メリット)
公立の場合は基本的に土日・祝祭日・年末年始は休み(メリット) - 有給休暇が年間で20日間取得できる(メリット)
- 1日の休み時間がしっかりと確保されている(メリット)
- 平常時は授業があって有給休暇が実質とれない(デメリット)
- 放課指導(部活動・委員会)があって、就業時間後帰れない(デメリット)
- 土日も募集業務や大会で出勤しなけらばならない(デメリット)
高校教師になることが決まったものの、
「教師って休みはとれるの??」
「休みがないほど忙しいって本当??」
「1日の勤務時間は??」
と不安になっている方も多いのではないでしょうか。
このような結論になる理由を解説していきます。
高校教師の役職とそれぞれの仕事内容について
高校教師の休みについて理解するために、まずは仕事内容を理解しましょう。
仕事内容には大きく分けて次の5つがあります。
- 教科指導
- 担任
- 校務分掌
- 部活動顧問
- 各種行事運営など
ただし、上記のすべての業務を全員が行うわけではなく、雇用形態や役職によっても異なります。
雇用形態に関しては、高校教師には「専任教諭」「常勤講師」「非常勤講師」の3つの立場が存在します。
「常勤講師」「非常勤講師」の設置や待遇に関しては、学校によっても異なるので一概には言えませんが、おおまかには次のようなイメージです。
・専任教諭 … 正社員(正規雇用で社会保障やボーナスあり、担任や主幹教諭はほぼこの形態)
⇒ 上記の5項目の仕事をすべて任されることがほとんど
・常勤講師 … 任期付きの派遣社員(非正規雇用だが社会保障やボーナスはある。校務分掌の業務を行い、稀ではあるが担任になることもある。)
⇒ 専任と非常勤の間くらいの仕事内容。担任に関しては持たないことが多い
・非常勤講師… アルバイト(非正規雇用でボーナスがないことがほとんど。授業だけを受けもつ時間帯勤務の形態で、校務分掌なども原則もたない)
⇒ 教科指導のみを担当することがほとんど
したがって、上記3つのどの立場の雇用形態かによっても忙しさはまるで異なります。
また、専任教諭に関しては、さらに、「校長」「教頭」「主幹教諭」「指導教諭」「教諭」といった役職が存在します。
一般的なイメージとなる「教科」「担任」「校務分掌」「部活動」などを担当する立場は「教諭」になりますが、例えば「主幹教諭」として「教務主任」「進路指導主事」などになれば授業が極端に少なくなり、「校務分掌」の仕事が主な職務になります。
私自身も担任のときは、部活動や校務分掌、教科指導など幅広い業務をこなしていましたが、「教務主任」になってからは「ICT教育」「探究・アクティブラーニング」「カリキュラムマネジメント」に関しての導入や、学力向上対策の提案など「教務(校務分掌)」の職務がメインになりました。同様に「校長」「教頭」であれば教科指導はほぼ0になり、学校運営がメインの職務になります。
このように、雇用形態や役職によっても仕事内容が異なる為、休日や勤務時間に関しても様々であるといえるでしょう。
平常時の休み
ここでは、最も一般的な専任教諭・常勤講師の場合を解説します。
専任教諭と常勤講師に関しては正規雇用・非正規雇用の差があるののの、休日日数に関してはほとんど差はありません。
私立学校の場合は土曜日は休みではないことが多いが、研究日がある
休日・休暇に関しては公立学校の場合は基本的に土日・祝祭日・年末年始が休みとなります。
しかしながら、私立学校の場合は
「土曜日に関しては原則休みではありません」
多くの民間企業では、平日(月~金)が出勤となり、土曜日・日曜日が休みであることがほとんどかと思いますが、私立学校は月曜から土曜日まであることがほとんどですので教職員も当然土曜日に出勤する必要があります。
しかし、労働基準法においては以下の原則が定められています。
使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
引用元:労働基準法 第四章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇第三十二条
したがって、多くの私立学校では月曜日から土曜日までの間に研究日(1日休日)が設けられています。
このように、土曜日は出勤するものの実際は週休二日制となりますのでしっかり休みがとれます。休みがないわけではありませんので安心して下さいね。
尚、日曜日に関しては私立学校も原則は休暇となりますが、外部相談会や学校説明会など入試広報関係の仕事が入る可能性があります。
このように、もし私立学校に入職し、かつ、入試広報(募集)がメインの校務分掌に所属した場合は、日曜にもある程度仕事が入る可能性があることは覚悟しておいた方がよいでしょう。
受け持つ校務分掌によっても休暇は変わるのですね。
有給休暇はとれる??
有給休暇は年20日間とることができます。(ただし、初任の場合は15日となります)
有給休暇はしっかりと設定されているんですね。ただ、実際休暇はとれるのでしょうか??
たしかに有給休暇に関しては、平常時は取りにくい現状がありますね。
特に授業に関しては、有給休暇を取ることで担当者が不在になりますので生徒の事を考えると休みにくいといえるでしょう。
取得する場合は、授業変更や代講を学校に依頼するか、私自身はそもそも授業がない日(試験期間など)に休暇をとっています。長期休暇中など授業がない期間に有給休暇をまとめて取得する教員もいますね。
このように、有給の取りやすさも、受け持っている仕事によっても異なるのが現状です。
長期休暇中の休み
夏休みや冬休みなど生徒の長期休暇中は休みではないのですか??
長期休暇中に関しては完全な休みではありません。
よく勘違いされる事ですが、長期休暇中(夏休みや冬休み)に関しては生徒は休みになりますが、教職員は出勤の義務があります。
具体的には、主要五教科(英語・数学・国語・理科・社会)の教員であれば、大抵は講習があり、また、部活動の顧問をしていれば、練習や大会などで忙しくなる場合もあります。
このように、長期休みに関しては担当教科や部活動によっても教員間で休みの取りやすさや忙しさに差が出ると思って下さい。
私自身も運動部の顧問をしているときは、合宿や大会がある関係でほぼ休みがありませんでしたが、文化部に変わってからは夏休みの休暇がかなり取りやすかったです。
また、教科に関しても高3の受験指導を担当している場合は、夏期休暇がないくらい指導していました。
高校教師の勤務時間と休み時間
休みの日に続いて、休み時間に関しても確認しておきましょう。
ここでは、一般的な「専任教諭(教諭)」の勤務時間や休み時間を含めた一日の流れを解説します。
8:00頃 出勤(机上の整理・自教室の確認・メールの確認)
8:20 職員朝礼(全体連絡・学年打ち合わせ)
8:30 クラス朝礼(出欠確認・連絡事項・朝学習など)
8:50 ~ 9:40 授業 or 教材研究・分掌業務(1時限目)
9:50 ~10:40 授業 or 教材研究・分掌業務(2時限目)
10:50~11:40 授業 or 教材研究・分掌業務(3時限目)
11:50~12:40 授業 or 教材研究・分掌業務(4時限目)
12:40~13:20 昼休み
13:20~14:10 授業 or 教材研究・分掌業務(5時限目)
14:20~15:10 授業 or 教材研究・分掌業務(6時限目)
15:15~15:25 クラス終礼(出欠確認・連絡事項など)
15:30~15:40 清掃
15:50~17:30 放課活動(部活動・委員会・補習など)
17:30~19:00 翌日の準備、クラス巡回など
19:00頃 退勤
出勤時間
就業時間に関しては各学校によっても様々ですが、出勤時間(職員朝礼)の15~20分前には出勤するのが一般的です。(およそ8時頃が多い)
出勤時間までに主にやることは、
- 自身の机上の整理
- 自教室の確認
- メールの確認
このような内容になります。
中でも特に重要なのは「自教室の確認」です。
自クラスの教室は前日の生徒の使用状況によっては乱れていることがあります。
朝、登校したときに整理された教室になっているだけで、クラスの雰囲気が良くなりますので確認は必ずしておきます。
また、クラスにいけば、生徒によっては早くに登校して勉強などをしている場合もあります。そのような生徒の特徴を覚えておいたり、声を掛けてあげることで生徒との関係も良好になりますよ。
職員朝礼
職員間でも朝の出席確認や打ち合わせがあります。
学校全体で共有する情報や学年毎にクラスに連絡する事項をここでは確認します。
生徒に連絡する事項や1日の流れをここでは確認しています。
クラス朝礼
クラス朝礼では生徒の出欠状況の確認や連絡事項の伝達、朝学習などを行います。
クラスの生徒の様子(元気がないなど懸念される生徒がいないか等)を確認したり、事前連絡がなく欠席している生徒がいる場合は家庭に電話連絡をすることが特に大事な仕事です。
朝礼はクラスの生徒と接する貴重な時間となります。特に新任の段階では無理やり最初から話しかけたりするよりも、
「困っている生徒がいたら、見逃さずに声をかける」
といった事を常に意識してみて下さい。全員は無理でも、「困っている生徒」「辛そうにしている生徒」だけにピックアップすることが大切です。
また、朝学習に関しては学校によっても有無が異なりますが、英単語テストや読書などその学校独自の活動を10分程度している場合もあります。
授業時間帯
朝礼後は授業時間帯となります。
「(授業時間50分)×6コマ」で構成されている学校がほとんどですが、稀に60分や80分で授業構成している学校もあります。
この時間帯は授業が入っている場合は授業、授業がない場合は授業準備や校務分掌の仕事を行います。
また、休み時間に関してはたいていは各授業間10~15分、昼休みは30~40分となっており、生徒とまったく同じ時間帯となりますので、この空き授業時間もうまく利用しながら休憩しています。
クラス終礼
朝礼時と同様に「生徒の確認」「明日の連絡」などを共有します。
清掃
生徒と一緒に校内の清掃活動を行います。クラスを持っていれば、大抵は自教室の清掃になりますが、担任ではない場合は、階段や特別教室(理科室・調理室など)を担当する場合もあります。
放課活動
終礼清掃後は、放課活動として部活動や委員会などの指導があります。
担当する部活動や委員会によっては忙しくなることもありますが、逆にそれほど負担にならない部活動や委員会もあります。部活動に関しては、運動部が比較的遅くまで練習をする傾向にあります。
また、教科によっては補習をする教員もいます。
放課活動後から退勤
放課活動終了後から、翌日の準備やクラスの見回りをする教職員も多くいます。
特に新任の頃は授業準備にも時間がかかるため、19~20時になることもありました。
高校教師の休みと忙しさに関するまとめと見解
このように、高校教師は
- 土曜日が休みではないものの、労働基準法通りにしっかりと週休二日の休みがとれる
- 有給休暇が年間で20日間取得できる
- 1日の休み時間もしっかりと確保されている
といったしっかりと休みが確保されている職業といえます。
では、なぜ「教員は忙しい」「教職はブラックな職場」という印象があるのかというと、
- 授業があって有給休暇が実質とれない
- 放課指導(部活動・委員会)があって、就業時間後も帰れない(実質的な残業)
- 土日も募集業務や大会で出勤しなけらばならない
このような教員が実際にいることが原因です。
私自身、教職を15年以上続けて
「部活で帰れない」「仕事が終わらない」「休日も出勤している」
このような教員をたくさん見てきました。
しかし、その一方で教職員自体も残業や休日出勤を当り前のように教え込まれ、休もうとしない現状があるように思われます。
例えば、上記の例で言えば、たしかに平日は授業があって有給休暇がとりにくいですが、授業がない日や長期休暇期間などをうまく利用すれば、有給休暇は十分とれます。
また、部活動や委員会などに関しても、多忙な団体に関しては必ず複数名の顧問が任命されますので、担当教員同士が協力し合うことで残業を減らす工夫もできるのです。
したがって、結論としては、
このように考えられます。
休みにくい日はあるものの、私は学校で定められている休暇日数や休憩時間は適切だと考えています。残業や休日出勤を当り前に思わず、まずは勤務時間内に仕事を工夫して終わらせることも我々教員は留意しなければならない事だと思います。
最後に、教員の採用を探している場合は人材紹介会社に登録しておくと良いです。
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