このページは数学II【式と証明】の問題まとめページです。
特に重要な基礎問題と解答を単元別に一問一答式で出題しています。
問題解き、解説をしっかり読んで理解することで、定着を図ることができます。
式と証明 基本問題一覧〜一問一答式(高校数学II)〜
3次式の展開と因数分解
次の式を展開しなさい。
\( (x+3)^3 \)
解答・解説
乗法公式 \((a+b)^3 = a^3 + 3a^2b + 3ab^2 + b^3\) を利用します。
この問題では、\(a=x\), \(b=3\) と置き換えて考えます。
\((x+3)^3\)
\(= x^3 + 3 \cdot x^2 \cdot 3 + 3 \cdot x \cdot 3^2 + 3^3\)
\(= x^3 + 9x^2 + 3 \cdot x \cdot 9 + 27\)
\(= x^3 + 9x^2 + 27x + 27 \)
次の式を展開しなさい。
\((2x-1)^3\)
解答・解説
【解説】
乗法公式 \((a-b)^3 = a^3 – 3a^2b + 3ab^2 – b^3\) を利用します。
この問題では、\(a=2x\), \(b=1\) と置き換えて考えます。
\((2x-1)^3\)
\(= (2x)^3 – 3 \cdot (2x)^2 \cdot 1 + 3 \cdot (2x) \cdot 1^2 – 1^3\)
\(= 8x^3 – 3 \cdot 4x^2 \cdot 1 + 3 \cdot 2x \cdot 1 – 1\)
\(= 8x^3 – 12x^2 + 6x – 1 \)
次の式を因数分解しなさい。
\(x^3 + 64\)
解答・解説
【解説】
因数分解の公式 \(a^3+b^3 = (a+b)(a^2-ab+b^2)\) を利用します。
この問題では、\(x^3 + 64 = x^3 + 4^3\) なので、\(a=x\), \(b=4\) と置き換えて考えます。
\(x^3 + 4^3\)
\(= (x+4)(x^2 – x \cdot 4 + 4^2) \)
\(= (x+4)(x^2 – 4x + 16)\)
次の式を因数分解しなさい。
\(8a^3 – 27b^3\)
解答・解説
【解説】
因数分解の公式 ça^3-b^3 = (a-b)(a^2+ab+b^2)\) を利用します。
この問題では、\(8a^3 – 27b^3 = (2a)^3 – (3b)^3\) なので、\(a=2a\), \(b=3b\) と置き換えて考えます。
\((2a)^3 – (3b)^3\)
\(= (2a-3b)((2a)^2 + (2a)(3b) + (3b)^2)\)
\(= (2a-3b)(4a^2 + 6ab + 9b^2)\)
次の式を因数分解しなさい。
\(x^3+6x^2+12x+8\)
解答・解説
【解説】
この式は、乗法公式 \(a^3 + 3a^2b + 3ab^2 + b^3 = (a+b)^3\) の形をしているか確認します。
\(x^3+6x^2+12x+8 = x^3 + 3 \cdot x^2 \cdot 2 + 3 \cdot x \cdot 2^2 + 2^3\)
これは、\(a=x, b=2\) の場合に公式が成り立っていることがわかります。
したがって、与式は次のように因数分解できます。
\(x^3+6x^2+12x+8 = (x+2)^3 \)
二項定理
\((x+3)^4\) を二項定理を用いて展開しなさい。
解答・解説
解説:
二項定理の公式は \((a+b)^n = \sum_{k=0}^{n} {}_nC_k a^{n-k} b^k\) です。
この問題では、\(a=x\), \(b=3\), \(n=4\) となります。
公式に従って各項を計算します。
- \(k=0\): \({}_4C_0 x^{4-0} 3^0 = 1 \cdot x^4 \cdot 1 = x^4\)
- \(k=1\): \({}_4C_1 x^{4-1} 3^1 = 4 \cdot x^3 \cdot 3 = 12x^3\)
- \(k=2\): \({}_4C_2 x^{4-2} 3^2 = 6 \cdot x^2 \cdot 9 = 54x^2\)
- \(k=3\): \({}_4C_3 x^{4-3} 3^3 = 4 \cdot x^1 \cdot 27 = 108x\)
- \(k=4\): \({}_4C_4 x^{4-4} 3^4 = 1 \cdot x^0 \cdot 81 = 81\)
これらの項をすべて足し合わせます。
解答:
\(x^4 + 12x^3 + 54x^2 + 108x + 81\)
\((2x-1)^7\) の展開式における \(x^5\) の項の係数を求めなさい。
解答・解説
解説:
展開式における一般項は、\({}_nC_k a^{n-k} b^k\) で表されます。
この問題では、\(n=7\), \(a=2x\), \(b=-1\) です。
したがって、一般項は次のようになります。
\({}_7C_k (2x)^{7-k} (-1)^k\)
\(= {}_7C_k \cdot 2^{7-k} \cdot x^{7-k} \cdot (-1)^k\)
\(= {}_7C_k \cdot 2^{7-k} \cdot (-1)^k \cdot x^{7-k}\)
\(x^5\) の項の係数を求めたいので、\(x\) の指数が \(5\) になる場合を考えます。
\(7-k = 5\)
これを解くと \(k=2\) となります。
\(k=2\) を係数の部分 \({}_7C_k \cdot 2^{7-k} \cdot (-1)^k\) に代入します。
\({}_7C_2 \cdot 2^{7-2} \cdot (-1)^2\)
\(= \frac{7 \cdot 6}{2 \cdot 1} \cdot 2^5 \cdot 1\)
\(= 21 \cdot 32\)
\(= 672\)
解答:
\(672\)
\((x^2 + \frac{1}{x})^9\) の展開式における定数項を求めなさい。
解答・解説
解説:
定数項とは、\(x\) の指数が \(0\) になる項のことです。
まず、一般項を求めます。\(n=9\), \(a=x^2\), \(b=\frac{1}{x}\) なので、
\({}_9C_k (x^2)^{9-k} (\frac{1}{x})^k\)
\(= {}_9C_k (x^2)^{9-k} (x^{-1})^k\)
\(= {}_9C_k x^{2(9-k)} x^{-k}\)
\(= {}_9C_k x^{18-2k-k}\)
\(= {}_9C_k x^{18-3k}\)
定数項では \(x\) の指数が \(0\) なので、
\(18 – 3k = 0\)
\(3k = 18\)
\(k = 6\)
\(k=6\) を係数の部分 \({}_9C_k\) に代入して値を求めます。
\({}_9C_6 = {}9C{9-6} = {}_9C_3\)
\(= \frac{9 \cdot 8 \cdot 7}{3 \cdot 2 \cdot 1}\)
\(= 3 \cdot 4 \cdot 7\)
\(= 84\)
解答:
\(84\)
\((x+2y-z)^6\) の展開式における $x^3y^2z$ の項の係数を求めなさい。
解答・解説
解説:
これは3つの項の展開なので、多項定理を用います。
\((a+b+c)^n\) の展開式における \(a^p b^q c^r\) (\(p+q+r=n\)) の項の係数は \(\frac{n!}{p!q!r!}\) で与えられます。
この問題では、\(n=6\), \(a=x\), \(b=2y\), \(c=-z\) です。
求めたい項は \(x^3y^2z\) なので、\(p=3\), \(q=2\), \(r=1\) となります。(\(3+2+1=6\))
したがって、\((x)^3(2y)^2(-z)^1\) の係数を考えます。
係数は、\(\frac{6!}{3!2!1!} \times (1)^3 \times (2)^2 \times (-1)^1\) となります。
まず、組み合わせの部分を計算します。
\(\frac{6!}{3!2!1!} \)
\(= \frac{6 \cdot 5 \cdot 4 \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1}{(3 \cdot 2 \cdot 1)(2 \cdot 1)(1)}\)
\( = \frac{720}{12} = 60\)
次に、各項の係数を乗じます。
\(60 \cdot (1)^3 \cdot (2)^2 \cdot (-1)^1\)
\(= 60 \cdot 1 \cdot 4 \cdot (-1)\)
\(= -240\)
解答:
\(-240\)
二項定理を用いて、次の等式を証明しなさい。
\({}_nC_0 + {}_nC_1 + {}_nC_2 + \dots + {}_nC_n = 2^n\)
解答・解説
解説:
二項定理の公式 \((a+b)^n = \sum_{k=0}^{n} {}_nC_k a^{n-k} b^k\) を利用します。
この公式を展開して書くと、
\((a+b)^n = {}_nC_0 a^n b^0 + {}_nC_1 a^{n-1} b^1 + {}_nC_2 a^{n-2} b^2 + \dots + {}_nC_n a^0 b^n\)
となります。
証明したい等式の形 \({}_nC_0 + {}_nC_1 + \dots\) と比較すると、\(a\) と \(b\) に特定の値を代入すればよいことが分かります。
ここで、\(a=1, b=1\) を代入してみます。
左辺:
\((1+1)^n = 2^n\)
右辺:
\({}_nC_0 (1)^n (1)^0 + {}_nC_1 (1)^{n-1} (1)^1 + \dots + {}_nC_n (1)^0 (1)^n\)
\(= {}_nC_0 \cdot 1 + {}_nC_1 \cdot 1 + \dots + {}_nC_n \cdot 1\)
\(= {}_nC_0 + {}_nC_1 + {}_nC_2 + \dots + {}_nC_n\)
左辺と右辺が等しいので、以下の等式が成り立ちます。
\({}_nC_0 + {}_nC_1 + {}_nC_2 + \dots + {}_nC_n = 2^n\)
証明:
二項定理の展開式
\((a+b)^n = {}_nC_0 a^n + {}_nC_1 a^{n-1}b + {}_nC_2 a^{n-2}b^2 + \dots + {}_nC_n b^n\)
において、\(a=1, b=1\) を代入する。
左辺は \((1+1)^n = 2^n\) となる。
右辺は \({}_nC_0 (1)^n + {}_nC_1 (1)^{n-1}(1) + \dots + {}_nC_n (1)^n = {}_nC_0 + {}_nC_1 + \dots + {}_nC_n\) となる。
よって、\({}_nC_0 + {}_nC_1 + {}_nC_2 + \dots + {}_nC_n = 2^n\) が成立する。 [証明終]
多項式の割り算
整式 \(A = x^3 + 2x^2 – x – 2\) を整式 \(B = x + 1\) で割ったときの商と余りを求めなさい。
解答・解説
解説
筆算を用いて割り算を行います。
\(\begin{array}{r}
x^2+\phantom{0}x-2 \\
x+1 \enclose{longdiv}{x^3+2x^2-x-2} \\
\underline{x^3+\phantom{0}x^2\phantom{-x-2}} \\
x^2-x\phantom{-2} \\
\underline{x^2+x\phantom{-2}} \\
-2x-2 \\
\underline{-2x-2} \\
0
\end{array}\)
計算過程:
- 1.\(x^3 \div x = x^2\) を商として立てます。
- 2.\(x^2 \times (x+1) = x^3 + x^2\) を被除数から引きます。
\((x^3 + 2x^2) – (x^3 + x^2) = x^2\)
- 3.次の項 \(-x\) を下ろします。
- 4.\(x^2 \div x = x\) を商として立てます。
- 5.\(x \times (x+1) = x^2 + x\) を引きます。
\((x^2 – x) – (x^2 + x) = -2x\)
- 6.次の項 \(-2\) を下ろします。
- 7.\(-2x \div x = -2\) を商として立てます。
- 8.\(-2 \times (x+1) = -2x – 2\) を引きます。
\((-2x – 2) – (-2x – 2) = 0\)
したがって、余りは \(0\) となります。
答え
商: \(x^2 + x – 2\)
余り: \(0\)
整式 \(A = 2x^3 – 5x^2 + 8x – 4\) を整式 \(B = x^2 – x + 3\) で割ったときの商と余りを求めなさい。
解答・解説
解説
筆算を用いて割り算を行います。
\(\begin{array}{r}
2x-3 \\
x^2-x+3 \enclose{longdiv}{2x^3-5x^2+8x-4} \\
\underline{2x^3-2x^2+6x\phantom{-4}} \\
-3x^2+2x-4 \\
\underline{-3x^2+3x-9} \\
-x+5
\end{array}\)
計算過程:
- 1.\(2x^3 \div x^2 = 2x\) を商として立てます。
- 2.\(2x \times (x^2 – x + 3) = 2x^3 – 2x^2 + 6x\) を被除数から引きます。
\((2x^3 – 5x^2 + 8x) – (2x^3 – 2x^2 + 6x) = -3x^2 + 2x\)
- 3.次の項 \(-4\) を下ろします。
- 4.\(-3x^2 \div x^2 = -3\) を商として立てます。
- 5.\(-3 \times (x^2 – x + 3) = -3x^2 + 3x – 9\) を引きます。
\((-3x^2 + 2x – 4) – (-3x^2 + 3x – 9) = -x + 5\)
余り \(-x+5\) の次数は1であり、除数 \(x^2-x+3\) の次数2より低いので、ここで計算は終了です。
答え
商: \(2x – 3\)
余り: \(-x + 5\)
整式 \(P(x) = x^3 + ax^2 – 3x + 4\) が \(x – 2\) で割り切れるとき、定数 \(a\) の値を求めなさい。また、そのときの商を求めなさい。
解答・解説
解説
整式が割り切れるとは、余りが \(0\) になるということです。まずは筆算で割り算を行い、余りを \(a\) を用いて表します。
\(\begin{array}{r}
x^2+(a+2)x+(2a+1) \\
x-2 \enclose{longdiv}{x^3+\phantom{(a+2)}ax^2\phantom{+(2a+1)} -3x+4} \\
\underline{x^3- \phantom{(a+2)}2x^2\phantom{+(2a+1)x+4}} \\
(a+2)x^2 -3x\phantom{+4} \\
\underline{(a+2)x^2-2(a+2)x\phantom{+4}} \\
(2a+1)x+4 \\
\underline{(2a+1)x-2(2a+1)} \\
4a+6
\end{array}\)
計算過程:
- 1.筆算の結果、余りは \(4a+6\) となります。
- 2.問題の条件より、\(P(x)\) は \(x-2\) で割り切れるので、余りは \(0\) になる必要があります。
したがって、\(4a + 6 = 0\)
- 3.この方程式を解くと、\(4a = -6\) より、\(a = -\frac{3}{2}\) となります。
- 4.このときの商は、筆算の途中で求めた \(x^2 + (a+2)x + (2a+1)\) に \(a = -\frac{3}{2}\) を代入して求めます。
商 \(= x^2 + (-\frac{3}{2}+2)x + (2(-\frac{3}{2})+1)\)
\(= x^2 + (\frac{1}{2})x + (-3+1)\)
\(= x^2 + \frac{1}{2}x – 2\)
(別解:剰余の定理より、\(P(x)\) が \(x-2\) で割り切れる条件は \(P(2)=0\) である。
\(P(2) = 2^3 + a(2^2) – 3(2) + 4 = 8 + 4a – 6 + 4 = 4a + 6\)
\(4a+6 = 0\) より \(a = -\frac{3}{2}\)。この \(a\) の値を元の式に代入し、実際に割り算を行って商を求めてもよい。)
答え
\(a\)の値: \(-\frac{3}{2}\)
そのときの商: \(x^2 + \frac{1}{2}x – 2\)
分数式
次の分数式を約分せよ。
\(\frac{x^2 – 5x + 6}{x^2 – x – 2} \)
解答・解説
【解説】
分数式の約分は、分子と分母をそれぞれ因数分解し、共通の因数で割ることで行います。
- 1.分子の因数分解
足して-5、掛けて6になる2つの数は-2と-3なので、
\( x^2 – 5x + 6 = (x-2)(x-3) \)
- 2.分母の因数分解
足して-1、掛けて-2になる2つの数は-2と+1なので、
\( x^2 – x – 2 = (x-2)(x+1) \)
- 3.約分
因数分解した式を分数に戻し、共通因数である \((x-2)\) で約分します。
\( \frac{x^2 – 5x + 6}{x^2 – x – 2} = \frac{(x-2)(x-3)}{(x-2)(x+1)} = \frac{x-3}{x+1} \)
【答え】
\( \frac{x-3}{x+1} \)
次の式を計算せよ。
\(\frac{x^2+x}{x^2-4x+4} \div \frac{x^2-1}{x^2-4} \)
解答・解説
【解説】
分数式の割り算は、割る方の式の分子と分母を入れ替えた逆数を掛けることで計算します。計算の前に、各項を因数分解しておくと簡単になります。
- 1.各項を因数分解
- \(x^2+x = x(x+1)\)
- \(x^2-4x+4 = (x-2)^2\)
- \(x^2-1 = (x+1)(x-1)\)
- \(x^2-4 = (x+2)(x-2)\)
- 2.割り算を掛け算に直し、因数分解した式を代入
\(\frac{x(x+1)}{(x-2)^2} \div \frac{(x+1)(x-1)}{(x+2)(x-2)} = \frac{x(x+1)}{(x-2)^2} \times \frac{(x+2)(x-2)}{(x+1)(x-1)} \)
- 3.約分
分子と分母にある共通因数 \((x+1)\) と \((x-2)\) を約分します。
\( \frac{x \cdot (x+1) \cdot (x+2)(x-2)}{(x-2)(x-2) \cdot (x+1)(x-1)} = \frac{x(x+2)}{(x-2)(x-1)} \)
【答え】
\( \frac{x(x+2)}{(x-2)(x-1)} \)
次の式を計算せよ。
\( \frac{3}{x^2-3x+2} – \frac{1}{x^2-1} \)
解答・解説
【解説】
分母が異なる分数式の足し算・引き算は、まず分母を因数分解し、最小公倍数を見つけて通分してから計算します。
- 1.分母の因数分解
- \(x^2-3x+2 = (x-1)(x-2)\)
- \(x^2-1 = (x+1)(x-1)\)
- 2.通分
2つの分母の最小公倍数は \((x-1)(x-2)(x+1)\) です。それぞれの分数の分母と分子に、足りない項を掛けます。
\(\frac{3}{(x-1)(x-2)} – \frac{1}{(x+1)(x-1)} \)
\( = \frac{3(x+1)}{(x-1)(x-2)(x+1)} – \frac{1(x-2)}{(x-1)(x-2)(x+1)} \)
- 3.分子の計算
分母が同じになったので、分子を計算します。
\( \frac{3(x+1) – (x-2)}{(x-1)(x-2)(x+1)} = \frac{3x+3-x+2}{(x-1)(x-2)(x+1)} = \frac{2x+5}{(x-1)(x-2)(x+1)} \)
【答え】
\( \frac{2x+5}{(x-1)(x-2)(x+1)} \)
次の式を簡単にせよ。
\(\frac{x – \frac{1}{x}}{1 + \frac{1}{x}} \)
解答・解説
【解説】
繁分数式(分数の中に分数が入っている式)は、いくつかの方法で簡単にできます。ここでは、分子と分母それぞれを先に計算する方法で解きます。
- 1.分子の計算
\( x – \frac{1}{x} = \frac{x \cdot x}{x} – \frac{1}{x} = \frac{x^2-1}{x} \)
- 2.分母の計算
\( 1 + \frac{1}{x} = \frac{x}{x} + \frac{1}{x} = \frac{x+1}{x} \)
- 3.全体の計算
元の式に代入すると、分数式の割り算になります。
\(\frac{\frac{x^2-1}{x}}{\frac{x+1}{x}} = \frac{x^2-1}{x} \div \frac{x+1}{x} = \frac{x^2-1}{x} \times \frac{x}{x+1} \)
- 4.因数分解と約分
\(x^2-1 = (x+1)(x-1)\) なので、
\( \frac{(x+1)(x-1)}{x} \times \frac{x}{x+1} = x-1 \)
【答え】
\( x-1 \)
恒等式の性質
等式 \(ax^2 + 5x + c = (2x-1)(x+b)\) が \(x\) についての恒等式となるように、定数 \(a, b, c\) の値を定めよ。
解答・解説
【解説】
与えられた等式が \(x\) についての恒等式であるとき、両辺はまったく同じ式になる必要があります。このタイプの問題では、式の片方または両方を展開・整理し、同じ次数の項の係数を比較する方法(係数比較法)が有効です。
- 1.右辺を展開するまず、等式の右辺を展開して、\(x\) の次数の降順に整理します。
\((2x-1)(x+b) = 2x(x+b) – 1(x+b)\)
\(= 2x^2 + 2bx – x – b\)
\(= 2x^2 + (2b-1)x – b\)
- 2.等式を書き換える展開した右辺を元の等式に戻します。
\(ax^2 + 5x + c = 2x^2 + (2b-1)x – b\)
- 3.両辺の係数を比較するこの等式が \(x\) についての恒等式であるため、両辺の \(x^2\) の項、 \(x\) の項、定数項の係数はそれぞれ等しくなります。
- \(x^2\) の係数: \(a = 2\)
- \(x\) の係数: \(5 = 2b – 1\)
- 定数項: \(c = -b\)
- 4.連立方程式を解く得られた3つの式を解いて、\(a, b, c\) の値を求めます。
- \(a=2\) は既に求まっています。
- \(5 = 2b – 1\) より、\(2b = 6\) なので \(b = 3\) となります。
- \(c = -b\) に \(b=3\) を代入して、\(c = -3\) となります。
答え\(a = 2, b = 3, c = -3\)
等式 \(a(x-1)(x-2) + b(x-2)(x+1) + c(x+1)(x-1) = 3x+5\) が \(x\) についての恒等式となるように、定数 \(a, b, c\) の値を定めよ。
解答・解説
【解説】
この問題のように、式が \((x-\alpha)\) のような因数の積で構成されている場合、その因数が \(0\) になるような \(x\) の値を代入する方法(数値代入法)が計算を簡略化する上で非常に有効です。恒等式はどのような \(x\) の値を代入しても成り立つため、この方法を使うことができます。
- 1.代入する \(x\) の値を選ぶ左辺の各項が \(0\) になるような \(x\) の値を探します。
- \(x=1\) を代入すると、 \(a\) と \(c\) の項が \(0\) になります。
- \(x=2\) を代入すると、 \(a\) と \(b\) の項が \(0\) になります。
- \(x=-1\) を代入すると、 \(b\) と \(c\) の項が \(0\) になります。
- 2.\(x=1\) を代入する\(a(1-1)(1-2) + b(1-2)(1+1) + c(1+1)(1-1) = 3(1)+5\)
\(a(0)(-1) + b(-1)(2) + c(2)(0) = 3+5\)
\(0 – 2b + 0 = 8\)
\(-2b = 8 \implies b = -4\)
- 3.\(x=2\) を代入する\(a(2-1)(2-2) + b(2-2)(2+1) + c(2+1)(2-1) = 3(2)+5\)
\(a(1)(0) + b(0)(3) + c(3)(1) = 6+5\)
\(0 + 0 + 3c = 11\)
\(3c = 11 \implies c = \frac{11}{3}\)
- 4.\(x=-1\) を代入する\(a(-1-1)(-1-2) + b(-1-2)(-1+1) + c(-1+1)(-1-1) = 3(-1)+5\)
\(a(-2)(-3) + b(-3)(0) + c(0)(-2) = -3+5\)
\(6a + 0 + 0 = 2\)
\(6a = 2 \implies a = \frac{1}{3}\)
答え\(a = \frac{1}{3}, b = -4, c = \frac{11}{3}\)
等式 \(\frac{5x-4}{x^2-x-2} = \frac{a}{x-2} + \frac{b}{x+1}\) が \(x\) についての恒等式となるように、定数 \(a, b\) の値を定めよ。
解答・解説
【解説】
分数式を含む恒等式では、まず分母を払って整式の形に直してから考えます。
- 1.左辺の分母を因数分解する\(x^2-x-2 = (x-2)(x+1)\)これにより、等式は \(\frac{5x-4}{(x-2)(x+1)} = \frac{a}{x-2} + \frac{b}{x+1}\) となります。
- 2.両辺の分母を払う等式の両辺に \((x-2)(x+1)\) を掛けます。
\((x-2)(x+1) \times \frac{5x-4}{(x-2)(x+1)} = (x-2)(x+1) \times \left( \frac{a}{x-2} + \frac{b}{x+1} \right)\)
\(5x-4 = a(x+1) + b(x-2)\)
- 3.係数を求めるこの形になれば、問題1の係数比較法、または問題2の数値代入法のどちらでも解くことができます。ここでは数値代入法を使います。
- \(x=2\) を代入する\(b\) の項が \(0\) になります。
\(5(2) – 4 = a(2+1) + b(2-2)\)
\(10 – 4 = 3a + 0\)
\(6 = 3a \implies a=2\)
- \(x=-1\) を代入する\(a\) の項が \(0\) になります。
\(5(-1) – 4 = a(-1+1) + b(-1-2)\)
\(-5 – 4 = 0 + b(-3)\)
\(-9 = -3b \implies b=3\)
- \(x\) の係数: \(a+b=5\)
- 定数項: \(a-2b=-4\)
上の式から下の式を引くと、\(3b=9 \implies b=3\)。これを \(a+b=5\) に代入して \(a=2\) を得ます。
答え\(a = 2, b = 3\)
等式・不等式の証明
等式 \((a+b)^2 – (a-b)^2 = 4ab\) を証明しなさい。
解答・解説
解説
左辺を展開し、整理して右辺と一致することを示す方法で証明します。
\((\text{左辺})\)
\(= (a^2+2ab+b^2) – (a^2-2ab+b^2)\)
\(= a^2+2ab+b^2 – a^2+2ab-b^2\)
\(= (a^2-a^2) + (b^2-b^2) + (2ab+2ab)\)
\(= 4ab \)
(左辺) = (右辺) となった。
したがって、等式 \((a+b)^2 – (a-b)^2 = 4ab\) は成り立つ。
【証明終】
\(a+b+c=0\) のとき、等式 \(a^3+b^3+c^3=3abc\) が成り立つことを証明しなさい。
解答・解説
解説
因数分解の公式 \(x^3+y^3+z^3-3xyz = (x+y+z)(x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx)\) を利用します。
この公式に \(x=a, y=b, z=c\) を適用すると、
\(a^3+b^3+c^3-3abc = (a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca)\)
となります。
問題の条件より、\(a+b+c=0\) なので、これを代入すると、
\((\text{右辺})\)
\(= (0) \cdot (a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca)\)
\(= 0\)
よって、\(a^3+b^3+c^3-3abc = 0\) となり、式を移項すると \(a^3+b^3+c^3=3abc\) が得られます。
したがって、\(a+b+c=0\) のとき、\(a^3+b^3+c^3=3abc\) は成り立つ。
【証明終】
\(a>b>0\) のとき、不等式 \(a^3-b^3 > (a-b)^3\) を証明しなさい。
解答・解説
解説
(左辺) – (右辺) \(> 0\) となることを示します。
\((\text{左辺}) – (\text{右辺})\)
\(= (a^3-b^3) – (a-b)^3\)
\(= (a^3-b^3) – (a^3 – 3a^2b + 3ab^2 – b^3)\)
\(= a^3-b^3-a^3+3a^2b-3ab^2+b^3\)
\(= 3a^2b – 3ab^2\)
\(= 3ab(a-b) \)
ここで、問題の条件を確認します。
\(a>b>0\) なので、
- \(a>0, b>0\) より、\(ab>0\)
- \(a>b\) より、\(a-b>0\)
したがって、\(3ab(a-b)\) は (正の数) \(\times\) (正の数) \(\times\) (正の数) となり、必ず正の数になります。
\(3ab(a-b) > 0\)
よって、\(a^3-b^3 > (a-b)^3\) は成り立つ。
【証明終】
実数 \(x, y\) について、不等式 \(x^2+y^2 \ge 2xy\) を証明しなさい。また、等号が成り立つ場合を調べなさい。
解答・解説
解説
不等式の証明の基本は、(左辺) – (右辺) \(\ge 0\) を示すことです。
\( (\text{左辺}) – (\text{右辺}) = (x^2+y^2) – 2xy \ = x^2-2xy+y^2 \)
この式は因数分解できるので、
\( = (x-y)^2 \)
実数の平方は常に0以上なので、\((x-y)^2 \ge 0\) が成り立ちます。
よって、\(x^2+y^2-2xy \ge 0\)、すなわち \(x^2+y^2 \ge 2xy\) が成り立ちます。
次に、等号が成り立つ場合を考えます。
等号が成立するのは \((x-y)^2=0\) のときです。
これは、\(x-y=0\)、すなわち \(x=y\) のときです。
【証明終】
不等式 \(x^2-xy+y^2 \ge 0\) を証明しなさい。また、等号が成り立つ場合を調べなさい。
解答・解説
解説
左辺を \(x\) についての2次式とみて、平方完成を行います。
\( \begin{aligned} (\text{左辺})\)
\(= x^2 – yx + y^2\)
\(= \left(x – \frac{y}{2}\right)^2 – \left(\frac{y}{2}\right)^2 + y^2\)
\(= \left(x – \frac{y}{2}\right)^2 – \frac{y^2}{4} + y^2\)
\(= \left(x – \frac{y}{2}\right)^2 + \frac{3}{4}y^2 \end{aligned} \)
ここで、\(\left(x – \frac{y}{2}\right)^2\) は実数の平方なので \(\ge 0\) です。
また、\(y^2 \ge 0\) なので \(\frac{3}{4}y^2 \ge 0\) です。
0以上の2つの項の和なので、全体も0以上となります。
\( \left(x – \frac{y}{2}\right)^2 + \frac{3}{4}y^2 \ge 0 \)
よって、\(x^2-xy+y^2 \ge 0\) は成り立ちます。
等号が成り立つのは、\(\left(x – \frac{y}{2}\right)^2 = 0\) かつ \(\frac{3}{4}y^2 = 0\) が同時に成り立つときです。
\(\frac{3}{4}y^2=0\) より \(y=0\)。
これを \(x – \frac{y}{2} = 0\) に代入すると、\(x – 0 = 0\) となり \(x=0\)。
したがって、等号が成り立つのは \(x=0\) かつ \(y=0\) のときです。
【証明終】
\(a>0, b>0\) のとき、不等式 \(\left(a+\frac{1}{b}\right)\left(b+\frac{4}{a}\right) \ge 9\) を証明しなさい。また、等号が成り立つ場合を調べなさい。
解答・解説
解説
まず左辺を展開します。
\((\text{左辺})\)
\(= ab + a \cdot \frac{4}{a} + \frac{1}{b} \cdot b + \frac{1}{b} \cdot \frac{4}{a}\)
\(= ab + 4 + 1 + \frac{4}{ab}\)
\(= ab + \frac{4}{ab} + 5 \end{aligned} \)
ここで、相加平均と相乗平均の関係を利用します。
\(a>0, b>0\) より、\(ab>0\) であり、\(\frac{4}{ab}>0\) でもあります。
正の数 \(X, Y\) について、\(X+Y \ge 2\sqrt{XY}\) が成り立ちます。
\(X=ab, Y=\frac{4}{ab}\) として適用すると、
\( ab + \frac{4}{ab} \ge 2\sqrt{ab \cdot \frac{4}{ab}} = 2\sqrt{4} = 4 \)
この不等式の両辺に5を加えると、
\( ab + \frac{4}{ab} + 5 \ge 4+5 = 9 \)
よって、\(\left(a+\frac{1}{b}\right)\left(b+\frac{4}{a}\right) \ge 9\) が成り立ちます。
等号が成り立つのは、相加平均と相乗平均の関係で等号が成立するとき、すなわち \(ab = \frac{4}{ab}\) のときです。
\((ab)^2 = 4\)
\(ab>0\) なので、\(ab=2\) となります。
したがって、等号が成り立つのは \(ab=2\) のときです。
【証明終】

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