「度数分布表やヒストグラムの見方がよくわからない…」
「階級値を使った平均値の計算でいつも間違えてしまう…」
高校数学Ⅰの「データの分析」で最初に学ぶ**度数分布表とヒストグラム**は、定期テストはもちろん、共通テストのデータの読み取り問題でも頻出の超重要テーマです。
一見すると用語が多くて難しそうに思えますが、**「用語の定義」**と**「階級値を使った平均値の出し方(3ステップ)」**さえ押さえれば、誰でも確実に満点が狙えるサービス問題に変わります。
この記事では、元教員が図解を交えながら、度数分布表・ヒストグラムの基本から階級値を用いた平均値計算、相対度数・累積度数の扱い方までわかりやすく徹底解説します!
1. 基本用語を押さえる
・階級:データを区切った区間(例:10点以上20点未満)
・階級の幅:区間の大きさ(例:20 – 10 = 10)
・度数:各階級に含まれるデータの個数(人数や個数など)
2. 階級値を使った平均値の求め方(超重要)
・階級値 = 各階級の中央の値(\( \frac{\text{階級の始まり} + \text{階級の終わり}}{2} \))
・平均値 = \( \frac{\text{(各階級値 \times 各度数)の合計}}{\text{度数の合計(全体の人数)}} \)
3. 相対度数と累積度数
・相対度数 = \( \frac{\text{その階級の度数}}{\text{度数の合計}} \)(全体に占める割合、合計は必ず 1)
・累積度数 = 最初の階級からその階級までの度数を順に足し合わせたもの
度数分布表とヒストグラムとは?(基本用語と見方)
「データの分析」を学ぶうえで、最初に登場するのが**度数分布表**と**ヒストグラム**です。
大量のデータ(テストの点数や身長など)を整理し、全体としてどのような傾向(分布)があるかを視覚的に把握するために使われます。
度数分布表の読み方(階級・階級の幅・度数とは)
度数分布表とは、データをいくつかの区間に分け、それぞれの区間にどれだけのデータが含まれているかをまとめた表のことです。
まずは、度数分布表を読むために必要な**3つの基本用語**を確実に覚えましょう。
| 用語 | 意味 | 例(下記表の場合) |
|---|---|---|
| 階級(かいきゅう) | データを区切った区間のこと | 10点以上20点未満 |
| 階級の幅 | 区間の大きさ(終わりの値 - 始まりの値) | 20 - 10 = 10点 |
| 度数(どすう) | 各階級に含まれるデータの個数(人数・件数など) | 3人 |
【例】あるクラス20人の数学のテスト結果をまとめた度数分布表:
| 点数(階級) | 人数(度数) |
|---|---|
| 0点以上 〜 10点未満 | 1 |
| 10点以上 〜 20点未満 | 3 |
| 20点以上 〜 30点未満 | 7 |
| 30点以上 〜 40点未満 | 6 |
| 40点以上 〜 50点満点 | 3 |
| 計 | 20 |
・以上:その数を含む(\( \ge \))
・未満:その数を含まない(\( < \))
たとえば「10点以上20点未満」の階級には、10点は含まれますが、20点は含まれません(20点は次の「20点以上30点未満」に入ります)。テストでよく狙われるひっかけポイントです。
ヒストグラムの描き方と特徴(棒グラフとの違い)
ヒストグラムとは、度数分布表をもとにして、横軸に「階級」、縦軸に「度数」をとって長方形(柱)を並べたグラフのことです。
先ほどの度数分布表をヒストグラムに表すと、以下のようになります。
ヒストグラムを見ると、「どの点数帯に人が集中しているか(山ができているか)」が一目で分かりますね。
ここで重要なのが、小・中学校で習った**「一般的な棒グラフ」との違い**です。
| 項目 | ヒストグラム | 棒グラフ |
|---|---|---|
| 扱うデータ | 連続的なデータ(点数・身長・時間など) | 離散的なデータ(好きな果物・都道府県別など) |
| 柱同士のすき間 | すき間なく密着させる | すき間をあける |
| 横軸の意味 | データの「量・範囲(連続した数)」 | データの「分類・項目(名前)」 |
ヒストグラムでは、横軸の数値が途切れず連続しているため、**柱と柱の間にすき間をあけずにくっつけて描く**のがルールです。
度数分布表から平均値を求める方法【階級値の活用】
度数分布表に関するテスト問題で**圧倒的に出題頻度が高い**のが、**「表からデータ全体の平均値を計算する問題」**です。
元データ(一人ひとりの生の点数)が手元にない状態から、どのように平均値を算出するのか、その仕組みと計算手順を解説します。
なぜそのまま平均を出せないのか?(階級値が必要な理由)
度数分布表を見ると、「10点以上20点未満の人が3人いる」ということは分かりますが、その3人が「11点、15点、19点」なのか、「10点、10点、12点」なのか、**元の正確なデータは消えてしまっています**。
そこで、「10点以上20点未満にいる3人は、**全員真ん中の『15点』をとった**とみなして計算しよう」というルールを作ります。
この**「階級の真ん中の値」**のことを**階級値(かいきゅうち)**と呼びます。
\[ \text{階級値} = \frac{\text{階級の始まりの値} + \text{階級の終わりの値}}{2} \]
【例】「10点以上20点未満」の階級値
\[ \frac{10 + 20}{2} = \mathbf{15\text{点}} \]
【3ステップ】階級値を使った平均値の計算手順
度数分布表からの平均値計算は、以下の**3ステップ**で機械的に解くことができます。
ステップ1:各階級の「階級値」を書き出す
ステップ2:「階級値 × 度数」を計算し、全階級の合計(総和)を出す
ステップ3:「合計値」を「全体の度数(合計人数)」で割る
数式で表すと次のようになります:
\[ \text{平均値} = \frac{(\text{階級値}_1 \times \text{度数}_1) + (\text{階級値}_2 \times \text{度数}_2) + \dots + (\text{階級値}_n \times \text{度数}_n)}{\text{度数の合計}} \]
具体例で練習!度数分布表の平均値計算
実際の計算の流れを、先ほどの20人のテスト結果データを使って確認してみましょう。
| 点数(階級) | 人数(度数) | 階級値 | 階級値 × 度数 |
|---|---|---|---|
| 0点以上 〜 10点未満 | 1 | 5 | 5 × 1 = 5 |
| 10点以上 〜 20点未満 | 3 | 15 | 15 × 3 = 45 |
| 20点以上 〜 30点未満 | 7 | 25 | 25 × 7 = 175 |
| 30点以上 〜 40点未満 | 6 | 35 | 35 × 6 = 210 |
| 40点以上 〜 50点満点 | 3 | 45 | 45 × 3 = 135 |
| 合計 | 20 | – | 570 |
計算の解き進め方は以下の通りです。
【計算手順】
1. 表の右側に「階級値」と「階級値×度数」の列を作り足す
2. 「階級値 × 度数」の合計値を計算する
\( 5 + 45 + 175 + 210 + 135 = 570 \)
3. 全体の合計人数(20人)で割る
\( \text{平均値} = \frac{570}{20} = \mathbf{28.5\text{点}} \)
絶対にやってはいけないミスが、**「階級値(5, 15, 25, 35, 45)だけを足して、階級の数(5)で割ってしまうこと」**です。
これでは「各階級に何人いるか(度数)」の影響が無視されてしまいます。必ず **「階級値 × 度数」** を計算してから合計しましょう。
相対度数・累積度数の意味と計算方法
度数分布表では、人数や個数などの「度数」をそのまま見るだけでなく、**「全体に対する割合(相対度数)」**や**「そこまでに何人いるか(累積度数)」**に変換してデータを分析することがよくあります。
ここでは、テストや模試でセットで出題されやすいこの2つの重要用語について、計算方法とセットでマスターしましょう。
1. 相対度数(そうたいどすう)とは?
相対度数とは、**「全体の度数(合計人数)に対して、その階級の度数が占める割合」**のことです。
クラスの人数が「30人のクラス」と「40人のクラス」のように**全体のデータ数が異なる場合でも、相対度数に変換すれば正確に比較できるようになります**。
\[ \text{相対度数} = \frac{\text{その階級の度数}}{\text{度数の合計}} \]
※通常は**小数(四捨五入して小数第2位や第3位まで)**で表します(※100をかけて「%」で表すこともあります)。
※**すべての階級の相対度数を合計すると必ず「1(または100%)」**になります。
2. 累積度数(るいせきどすう)とは?
累積度数とは、**「最初の階級からその階級までの度数を順に足し合わせた合計」**のことです。
「〇〇点未満の人は合計で何人いるか?」「上から数えてどの位置にいるか?」をひと目で把握したいときに使われます。
なお、累積度数を全体に対する割合で表したものを**「累積相対度数(るいせきそうたいどすう)」**と呼びます。
表でひと目でわかる!相対度数・累積度数の計算例
実際に20人のテストデータを使って、相対度数と累積度数を計算してみましょう。
| 点数(階級) | 度数(人数) | 相対度数 | 累積度数 | 累積相対度数 |
|---|---|---|---|---|
| 0点以上 〜 10点未満 | 1 | 0.05 | 1 | 0.05 |
| 10点以上 〜 20点未満 | 3 | 0.15 | 4 | 0.20 |
| 20点以上 〜 30点未満 | 7 | 0.35 | 11 | 0.55 |
| 30点以上 〜 40点未満 | 6 | 0.30 | 17 | 0.85 |
| 40点以上 〜 50点満点 | 3 | 0.15 | 20 | 1.00 |
| 合計 | 20 | 1.00 | – | – |
【各数値のチェックポイント】
・相対度数の計算: 例「10点以上20点未満」の相対度数= \( \frac{3}{20} = 0.15 \)
・累積度数の出し方: 上から順番に度数を足していきます。
1行目:1
2行目:1 + 3 = 4
3行目:4 + 7 = 11
・最後の行の数値: 累積度数の最後の行(20)は、**必ず全体の度数(合計人数)と一致**します。
相対度数を小数第2位や第3位で四捨五入して求めるとき、各階級の値をそのまま足すと **「合計が 0.99 や 1.01 になってしまう」** ことがあります。
テストや答案でこのような現象(丸め誤差)が起きた場合は、**度数が一番大きい階級の相対度数を0.01調整して、合計がちょうど「1.00」になるように補正する**のが一般的ルールです。
度数分布表とヒストグラム(度数多角形)の関係
度数分布表はデータを数字で整理するのに非常に便利ですが、数字が並んでいるだけでは**「全体のデータの散らばり具合(分布の形)」**を瞬時に直感的に理解するのは少し大変です。
そこで、度数分布表を**視覚的に分かりやすくグラフ化したもの**が**「ヒストグラム」**と**「度数多角形(度数ポリゴン)」**です。
1. ヒストグラムとは?(柱状グラフとの違い)
ヒストグラムとは、横軸にデータの区間(階級)、縦軸にデータの個数(度数)をとり、各階級の度数を**長方形の柱**で表したグラフです。
一般的な「棒グラフ」は項目ごとに独立しているため柱同士の間に**スキマ(間隔)**を空けますが、ヒストグラムは「10点〜20点、20点〜30点…」のように数値が連続しているため、**柱と柱の間をピッタリくっつけて描く**のが鉄則です。
2. 度数多角形(度数ポリゴン)とは?
度数多角形とは、ヒストグラムの**各柱の上の辺の中点(真ん中の点=階級値の位置)**を直線で結んで作ったグラフのことです。
実際にヒストグラムから度数多角形を作成すると、以下のようになります。
図のように、柱の真ん中の点(階級値)を結んでいき、**一番端の点は「度数0の階級がある」と考えて横軸(底面)まで線を伸ばして閉じる**のが大きな特徴です。
ステップ1:ヒストグラムの各柱の上辺の「中央(階級値の位置)」に点を打つ
ステップ2:左右の両端に「度数0の仮想の階級」を想定し、横軸の上に点を打つ
ステップ3:すべての点を直線で順番に結ぶ
度数多角形を使うと、柱の背景が邪魔にならなくなるため、**「A組とB組のテスト結果」のように2つ以上のデータを1つのグラフに重ねて比較したいとき**に大きな威力を発揮します。
まとめ:度数分布表とグラフの使い分け
| 手法 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 度数分布表 | 数値で正確に整理されている | 平均値や相対度数などの計算処理 |
| ヒストグラム | データ全体の形が直感的にわかる | 単一グループの分布形状(山型・偏りなど)の把握 |
| 度数多角形 | 折れ線状で重ね合わせやすい | 2つ以上のグループの分布比較 |
テスト問題では、「度数分布表からヒストグラムを選ばせる問題」や「ヒストグラムから度数・階級値を読み取らせる問題」が頻出しますので、相互に変換できるようにしておきましょう。
度数分布表でよくある質問(FAQ)
度数分布表の学習において、高校生からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
A. 含まれません。
「以上」はその数を含みますが(\( \ge 10 \))、「未満」はその数を含みません(\( < 20 \))。したがって、ぴったり「20」の人は次の「20以上30未満」の階級に入ります。
A. 四捨五入による「丸め誤差」の影響であれば間違いではありません。
小数第2位や第3位で四捨五入した結果、合計が1にならないことがあります。テスト等で指定がない場合は、原則として一番度数の大きい階級の相対度数を0.01調整し、合計がぴったり「1.00」になるように補正するのが一般的です。
A. 問題文の指定(四捨五入の指示)に従いましょう。
「小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めよ」といった指示が問題文の末尾にあることが多いため、必ず確認してから解答を作成してください。
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【まとめ】度数分布表の解き方のコツ
度数分布表は、一見すると数字や用語が多くて難しく感じられますが、**基本用語の意味と計算公式のパターン**さえ押さえてしまえば、確実に得点源にできる分野です。
☑️ 用語の確認:階級(区間)、度数(人数)、階級幅(区間の長さ)の意味を理解しているか?
☑️ 階級値:階級の「真ん中の値」を正しく求められるか?
☑️ 平均値の計算:「階級値 × 度数」の合計を全体の度数で割る手順を覚えているか?
☑️ 相対度数・累積度数:「割合(合計は1)」と「積み上げ人数」の違いが分かるか?
☑️ ヒストグラム:柱同士の「間隔(スキマ)」を空けずに描けているか?
度数分布表の解き方をマスターしたら、次は「2. データの代表値(平均値・中央値・最頻値)」の学習に進み、データの分析分野を攻略していきましょう!
💬 今回の解説を読んで「まだ少し不安」「一人だと解き直せない」と感じた方へ
数学は「解説を読んで理解した気になって終わり」にしてしまうと、似た問題が出たときに手が止まってしまいがちです。
確実に定着させるには、知識が新しいうちに自分で解き直し、類題で練習することが欠かせません。
もし「テキストの解説だけだと理解に時間がかかる」「質問できる環境や、手厚いサポートが欲しい」と感じている場合は、高校生向けの学習サービスを上手に活用するのも手です。
特に「わかりやすい動画解説でつまずきを解消できる(スタディサプリ)」や、「自分のレベルに合わせて添削・演習ができる(進研ゼミ)」は、独学の強い味方になります。
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