教員の退職方法と辞め方!円満退職への5STEP

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ラッシーくん

今、教員ですが、退職を考えています。
円満退職する方法や流れはどのようになるでしょうか??

このような疑問に答えます。

本記事の内容
  • 教員の退職理由
  • 円満退職の方法とスケジュール
  • 転職で活かせる教員スキルと転職先
シンスケ

15年以上学校教育に携わっている中学高校の教員です。担任を6年ほど経験した後、教務主任として「ICT教育」「探究・アクティブラーニング」「カリキュラムマネジメント」に関しての導入や、学力向上対策の提案の業務を6年ほどしてきました。また、学校運営に関するアドバイザー業務などもしております。
採用試験の面接官に関しては10年以上行っており、職場内外での転職事例を多くみてきた他、かなりの相談にも乗ってきました。また、私自身も過去に3回転職活動を行っています。このような経験を活かし、教員向けの転職に関する情報を発信しています。

教員として働いているものの

「教職が嫌になったので退職や転職を考えている」
「教員以外の仕事でやりたいことができた」
「教員からの退職の流れはどのようになるのだろうか」

このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、教員が退職を考える理由や円満退職するための方法とスケジュール、転職で活かせる教員のスキルと転職先を解説していきます。

目次

教員の退職理由

教員が辞めたいと考える退職理由は以下のような内容になります。

転職理由と混同しやすいですが、ここで紹介するものはあくまでも転職をしようと考えたきっかけであり、転職理由として面接時に話すのはNGになりますので注意しましょう。

新任・20代教員の退職理由

新任教師や20代教師の場合、教員としての歴は浅いため、以下の3つがよくある理由になります。

新任・20代教員の退職理由3選

理由①:生徒との関係がうまくいかない

理由②:大きな失敗をしてしまった

理由③:予想していた仕事内容と違った

新任・20代の教員が最も多いのは、不慣れからくる生徒とのトラブルがもっとも多くあります。
上記のような内容は転職理由にはなりませんので注意しましょう。

また、20代や新人教諭の場合の退職理由は人間関係が大きくありますので、以下も参考にして下さい。

30代教員の退職理由

30代教員の退職理由は以下のような3つが主な理由になり得ます。

30代教員の退職理由3選

理由①:生徒との関係がうまくいかない

理由②:勤務時間・拘束時間が長く休めない

理由③:教師としてのやりがいをなくしてしまった

新任・20代教員と同様に、生徒との関係によってトラブルが発生するパターンは共通して言えます。

逆に、30代からは徐々に勤務時間の長さなどの体力面、教師としてのやりがいなどにも問題を感じ始める時期です。

40代教員の退職理由

40代教員の転職理由は以下のような3つが主な原因になり得ます。

40代教員の退職理由3選

理由①:責任ある業務への重圧

理由②:体力的につらい

理由③:教員以外の仕事ができる最後のチャンスを逃したくない

一方、40代教員の退職理由に関しては、生徒の扱いなどの仕事内容としての問題はほぼないといってもよいでしょう。

逆に退職理由として多いのが、責任ある業務が30代以上に増えるのに対して、体力はどんどん無くなっていきますので精神的にも肉体的にも辛くなってくる頃です。

また、40代になると残りの人生を考え始める頃で、

「このまま教員だけの人生で本当に良いのだろうか」

と教員以外の人生を考える人も多くなるという特徴があります。

教員の退職方法と辞め方!円満退職のスケジュール

教員の退職までのスケジュールは、およそ以下の通りです。教員の退職は採用試験の形態も一般企業とは異なりますので、早め早めに進めることが円満退職のポイントです。

円満退職スケジュール5STEP

STEP1.退職の意思を伝える(2カ月前まで)

STEP2.退職日を決める(1カ月半前まで)

STEP3.退職届を提出する(1カ月前まで)

STEP4.業務の引き継ぎをする(20日前まで)

STEP5.引継ぎチェック・PC整理・挨拶・学校への返却など(当日まで)

ただし、「STEP1.退職の意思表示」をした後は学校側としてもあなたが退職するものとして、人事採用が進んでいきます。

「やっぱり退職はせず、次年度も働きたいです」

このような事はできませんので後悔することがないように十分注意しましょう。

教員から転職すると後悔する5つのこと
  1. 社会的信用が低くなる
  2. 福利厚生や収入が悪くなる
  3. 転職先での仕事がうまくいかない
  4. 転職先の職場環境の方が劣悪
  5. 転職してから教員のやりがいに気付く
教員から後悔しない転職をする3つのポイント
  1. 転職前と転職先の情報集めをしっかりしよう
  2. 「やりたいこと」と「できること」を明確にしよう
  3. 転職エージェントのサポートを受けよう

STEP1.退職の意思を伝える(2カ月前まで)

退職意思の表示は、法律では「退職日の2週間前」までにするものとされています。

ただし、学校の就業規則で「退職は退職日の1カ月前に告知」と定められている場合もありますので確認しておきましょう。
伝達時期に関しては、なるべく1カ月半~2カ月前には伝えた方がよいでしょう。

シンスケ

学校の採用は、教科1名の退職につき、必ず1名の補充をしなければなりません。例えば、情報科の専任の先生が退職する場合は、同じく、情報科の専任の先生を探す必要があります。
すなわち、円満退職のためには、早ければ早いほどよいといえます。

ただし、退職意思を伝える際は順番があります。トラブルにならないように十分注意しましょう。

退職の意思を最初に伝達するのは学校長or教頭へ

採用関係の取りまとめは学校長or教頭が行っていることがほとんどです。

したがって、退職の意思を伝える際は必ず「学校長or教頭」を最初にすることが大切です。

伝え方は勤務時間外に「個人的な相談があるのですが」ともちかければOKです

間違っても「学年や教科の先輩」「同僚」などに先に話してしまうことのないように注意しましょう。

もちろん、特別に親しい同僚にこっそり打ち明けるくらいであればかまいませんが、基本的には学校側からの発表があるのを待ちましょう。

シンスケ

講師の場合は年度更新や勤務状況の把握を目的とした面談を用意している学校がほとんどです。理想としては、これに合わせて退職の意思表示ができるとスムーズになります。
専任の場合は勤務時間外に退職の相談をする時間をもらいましょう。

まずは口頭で。「退職届」の提出は後日

退職の意思は、まずは口頭で伝えましょう。このときには、「退職届」は必要ありません。

最終的には、退職届が学校として不要な場合とトラブル防止の為に必要とする場合があります。

相談の際に

「退職届は後日お持ち致します」

という旨を伝え、「必要ない」と言われれば、用意しなくてかまいませんが、それ以外の場合は後日改めて提出しましょう。

特に、事務に関しては決まった形式の退職届が必要な場合がほとんどです。これらの必要な書類に関しては詳しくは各学校の事務に確認をしましょう。

STEP2.退職日を決める(1カ月半前まで)

教員の退職時期のベストは3月末ですが、それ以外の日程で退職をする場合は教頭や直属の上司と相談の上、退職日を決定しましょう。

もちろん自身の事情を考え、退職日は考えておくべきですが、円満退職のためには学校の都合も考えることも重要です。

有給休暇が残っている場合、引継ぎのスケジュールをふまえ、どのタイミングでどれくらい消化するかも相談しておくとよいでしょう。

STEP3.退職届を提出する(1カ月前まで)

「退職届」に関しては、学校側で定めるフォーマットがあればそれに従って記載します。

その他、事務への退職関係の書類には以下のような事項があります。詳しくは事務の先生に確認して下さい。

・退職届
・健康保険関連
・公的年金関連
・税金の控除関連
・退職金の請求

尚、退職届の提出期日に関しては法律上は以下のようになっています。

(退職)
第十四条 職員は、退職しようとするときは、特別の事由がある場合を除き、退職しようとする日の前十日までに、退職願を提出しなければならない。

出典:東京都教育委員会服務規程

上記の通り、例えば、東京都の場合であれば、退職の10日前までに退職願を提出すれば退職自体は可能だといえます。

ただし、円満退職を目指すのであれば、10日前ではなく、少なくとも1カ月前までには提出しましょう。

したがって、夏休み(7月・8月)での退職に関しては、このようなスケジュールを考えてもおすすめできません。

STEP4.業務の引き継ぎをする(20日前まで)

円満退職の為には、引継ぎに関してはしっかりと行わなければなりません。

いいかげんに済ませてしまうと後任者に迷惑をかけるのはもちろん、退職した後も確認の問い合わせを受ける場合があります。

退職前は、通常の業務も行いながら引継ぎを進めることになるため、混乱しがちです。

「いつまでに」「何を」「どのような順番で」「誰に」引継ぎするのか計画を立てましょう。

シンスケ

特に、専任の先生の場合は校務分掌関連の引き継ぎ漏れがないか注意して下さい。可能であれば、後任者と一緒に一連の流れを実際に行ってみるのが望ましいでしょう。また、なるべく口頭での引継ぎは避け、文書を作成しておくことが重要です。

STEP5.引継ぎチェック・PC整理・挨拶・学校への返却など(当日まで)

退職当日までには以下のようなことをチェックしましょう。

・引継ぎが完了したか確認する
・学校のPCに入っているデータを整理し、私的なデータは削除する
・職場内や業者でお世話になった人への挨拶
・学校に返却すべきものを返却する
・退職関係書類の提出

特に、学校への返却物や逆に事務に提出する書類等に関しては絶対に忘れないようにして下さい。

一般的に学校に返却・提出するもの

・退職届
・健康保険被保険者証
・身分証(職員証明)
・名刺
・学校から貸与されている事務用品(赤ペン、朱肉などの備品)
・学校経費で購入した書籍・備品など
・学校から配布されたマニュアルなど
・ロッカー、デスクの鍵

転職先では教員スキルを活かそう!

退職・転職後は教員スキルを活かすことが重要です。

各年代ごとのおすすめ転職先は以下になります。

転職先20代30代前半30代後半40代
他校の教員・非常勤講師
塾講師・予備校講師・家庭教師
教育関係の企業
大学・学校の事務職×
児童支援員
営業職×
その他、異業種(教育・営業以外)××
◎おすすめ ○可能 △難しい ×ほぼ不可能

全体的な傾向としては、20代~30代前半くらいまでは比較的転職しやすく、異業種も含め転職可能となります。

しかし、30代後半以降になると応募条件に満たない場合も多く、教育関係以外の職種は難しいと思った方がよいでしょう。

特記事項としては、あなたに転職先で役立つスキルや経験があるかが、重要ポイントになります。

例えば、まったくの未経験であっても「簿記」の資格を持っていれば事務職に転職しやすくなりますし、プログラミング技術が卓越していれば年齢が高くても評価してくれる企業も多くあります。

シンスケ

一般的に教員からの転職で強みとなるスキルは以下の7つになります。
これらの強みは教員の方であれば経験がある事項ですので、転職先で生かせないか考えてみましょう。

教員の転職で強みとなるおすすめスキル7選
  1. プレゼンテーション力・説明力
  2. コミュニケーション能力
  3. 専門教科に関する知識
  4. 教育業界に関する知識
  5. PCスキル
  6. 課題(問題)解決能力
  7. 計画性


ただし、このような強みに関しては一人で悩まずに転職活動中に転職エージェントに相談するのが実は最もおすすめです。

転職サイト(転職情報サイト)は、転職希望者に向けて求人情報を発信するサイトです。登録すれば、膨大な量の企業の求人情報を閲覧することができますので、そこから自身で検索することができます。

それに対して、転職エージェントとは正式には「有料職業紹介事業所」と呼ばれ、厚生労働大臣から認可を受けた斡旋を目的とした会社のことをいいます。

転職エージェントは個々の転職希望者に対してマンツーマンでキャリアアドバイスを行い、希望や適性に応じて最適と思われる企業を紹介してくれるなど、専任のキャリアコンサルタントのような役目を担ってくれる存在です。

転職エージェントで受けられるサポート内容

  • 求人情報の提供
  • 履歴書の書き方指導
  • 企業への面接のアポイントメント(日程調整)
  • 面接対策
  • 給与額や入社時期などの交渉

上記のような内容のサポートを転職活動の最初から最後まで受けることができ、しかも相談料やサービス料は無料です。

転職エージェントのメリット

  • 無料で転職活動の最初から最後までサポ―トが受けられる(情報提供・アドバイス・事務処理)
  • あなたのキャリア(教員スキルやあなたの強み)を客観的にみて、自分でも気づかない才能を見出してくれる
  • 一般的なサイトにはない非公開求人を紹介してもらえる

転職エージェントのデメリット

  • セールストークにのせられて、入社を断れない
  • 案件が少ないと適性に合わなくても推し進める
  • 買い手市場のときは担当者が冷たいことがある

上記の通り、メリットとデメリットはもちろんありますが、基本的にはメリットの方が強いですので、転職サイトと併用して積極的に活用すると良いでしょう。

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まとめ

本記事では、教員が退職を考える理由や円満退職するための方法、転職で活かせる教員のスキルと転職先について解説しました。

円満退職スケジュール

STEP1.退職の意思を伝える(2カ月前まで)

STEP2.退職日を決める(1カ月半前まで)

STEP3.退職届を提出する(1カ月前まで)

STEP4.業務の引き継ぎをする(20日前まで)

STEP5.引継ぎチェック・PC整理・挨拶・学校への返却など(当日まで)

円満退職の為には、自身だけでなく学校側の事情も考慮することが大切です。

「有給の消化日は学校とも相談して決める」「業務の引き継ぎは文書で残す」

など、迷惑にならない配慮を心掛けましょう。

また、転職後に関しては、自身の強みを活かすことが重要です。
自身の強みがわからない場合は転職活動時に転職エージェントにも相談してみましょう。

求人情報に関しても転職サイトにはない非公開の求人情報があります。

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また、教員の転職に関する全体の流れは以下を参照して下さい。

教員の転職の流れ

教員からの転職が難しい理由

おすすめ書籍

教師・新任教師向け記事一覧

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